■6速MTも用意するFRスポーツカー「フェアレディZ」に先進安全技術は採用されている…はず
アメリカで新型Zが発表されました。日本ではフェアレディZと呼ばれる、日産のスポーツカーは十分なパフォーマンスを比較的身近な価格帯で味わえるということを伝統としています。
現時点では価格については正式発表されていませんが、リーズナブルな価格帯という伝統は受け継がれると期待されています。
パワートレインはVR30DDTT型 3.0L V6ツインターボで、トランスミッションは6速MTと9速ATを設定すると発表されています。そのスペックは405PS・475Nmというもので2シーターのスポーツカーとして十分なレベルといえます。
それにしても、2022年に発売するモデルとして純エンジンスポーツカーを用意するというだけでも驚きですが、MT(マニュアルトランスミッション)についても進化させています。
具体的には、クラッチディスクとギヤトレインの強化、新設計シンクロナイザーシステムの採用やシフトプロファイルの変更などによってV6ツインターボに対応しているということです。
フロントマスクは初代Z(S30)、テールレンズは元祖280馬力の4代目Z(Z32)をオマージュしたスタイリングも新型Zの魅力。1969年からの半世紀以上に渡るZの歴史を実感できるエクステリアとなっています。
インパネ中央に3連メーターを備えているのもZのヘリテージを感じさせます。ちなみに3連メーターは、左からブースト計、ターボ回転スピード計、電圧計となっています。ターボチャージャーの回転数を表示するメーターというのは非常に珍しいもので、その目盛りは25万回転まで刻まれています。
そんなコクピットの公表された写真をじっくり見ていくと、ひとつの発見がありました。
ステアリングの右スポークにACC(アダプティブクルーズコントロール)らしき操作ボタンが置かれているのです。
一見すると単純なクルーズコントロールに見えますが、右下に車間距離の切り替えを示したボタンがあるので、ACCを装備していると判断できます。
そういえばフェアレディZの日本での発売時期を考えると、AEBS(衝突被害軽減ブレーキ)義務化の対象となります。
となれば、前方の状況を検知するセンサーは必須です。そのセンサーを利用してACCを機能させるというのは自然な流れといえます。
ただし日産車でおなじみの青い「プロパイロット」のボタンは確認できません。つまり、車線中央維持のような機能を含むプロパイロットのような先進運転支援システムが新型Zに搭載されているとは判断できませんし、日産もプロパイロットの有無については明言していません。
なお、センサー類についても公式発表はありませんが、プレスフォトを見る限り、フロントグリルの中央付近にミリ波レーダーらしきものが設置されていること、フロントウィンドウ上部にカメラらしきものが設置されていることが確認できます。
こうしたセンサーセットであれば、かなり高度な運転支援システムの実現も可能となるはずです。
はたして新型Zはスポーツドライビング的な楽しみだけでなく、ロングツーリングをアシストするグランドツーリング性能も併せ持っているのでしょうか。そして、この位置にミリ波レーダーを置いているとして、日本のナンバープレートはどのようにセンサーを避けて配置するのか気になります。