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■軽自動車の維持費を普通自動車と比較チェック!
クルマは手に入れるのにもお金がかかりますが、乗り続けていく、つまり維持していくのにもお金がかかります。クルマの維持費の話題となると軽自動車が優れているという話になりますが、本当にそうなのか疑問に感じる人もいるはず。
そこで、小型の普通車と比べて軽自動車の維持費が安い理由を見ていきます(本記事で取り上げる金額は基本的に2021年8月現在の自家用車の場合で算出しています)。
●そもそも軽自動車ってどんなクルマ?
維持費に注目していく前に、軽自動車の定義について紹介していきます。軽自動車と聞くと何となく小さなクルマというイメージがあるだけかもしれませんが、しっかりと規格があるのです。
まずは車体の大きさ。軽自動車は長さ3.4m以下、幅1.48m以下、高さ2.0m以下と定められています。
そしてエンジンの排気量。これは660㏄以下とされています。この規格は2021年現在のもので、1998年の10月から適用されています。
●税金は普通自動車の1/3!?
軽自動車を知ったところで、軽自動車の維持費について小型の普通車と比べながら見ていきましょう。まずは税金関係です。
毎年4月1日時点で自動車を所有している人に納税の義務が発生する自動車税。軽自動車の場合、軽自動車税がこれにあたります。
自動車税は排気量1,000㏄以下であれば29,500円、以降排気量が500㏄上がるごとに値上がりしていきます(2019年10月1日以前の登録の車)。
対して軽自動車税は一律で10,800円(2015年4月1日以降の登録の場合)。低排気量の普通車でも軽自動車の約3倍の自動車税がかかってしまうのです。このように比較すると、軽自動車の方が毎年の税金を安くできるのが分かりますね。
●車検時に最低限必要な費用も軽自動車の方がリーズナブル
そして、車検取得時に必要な法定費用が安いのも、軽自動車の維持費が安いと言われる理由の一つです。
車検取得時にかかる法定費用としては車両重量税、自賠責保険、印紙代がありますが、この内大きく違うのは重量税です。普通自動車の場合0.5tで5,000円となっていて、以降0.5tごとに2年間(車検ごと)に収める金額が5,000円上がっていきます。
しかし、軽自動車の場合は基本的に6,600円となっています(登録から13年未満の場合)。
現実的に0.5t以下の普通自動車はあまりないので、1t以下の普通自動車の重量税が10,000円であることを考えると、こちらも軽自動車の方が実質安いことが分かります。
●任意保険も軽自動車の方が安い場合が多い
任意保険の面でも軽自動車の方がリーズナブルです。その秘密は、型式別料率クラスというシステムにあります。
これは対人、対物、傷害、車両の4つの項目をそれぞれの車種(型式)ごとに1~17までで評価するというシステムです。数字が大きくなるほど保険料が高く、1クラス上がると10%該当項目の保険料が上がります。なお、このクラスは毎年見直され、前年の型式ごとの事故発生件数などで決められます。
これまで軽自動車にはこの料率クラスのシステムは採用されていませんでしたが、2020年1月1日から軽自動車にも料率クラスのシステムが導入されました。しかし、クラスは1~3までの3段階。なお、クラスごとの保険料の上がり方は普通自動車と同じ10%です。
そのため軽自動車の方が基本的に保険料を安く抑えられることができます。具体的な金額に関してですが、任意保険は契約条件によって保険料が変わるため一概には言えません。しかし、同じ条件であれば軽自動車の方が安いと考えた方がいいでしょう。
●小さく軽い軽自動車だからこそ
税金や保険など、最低限必要な維持費を見るだけでも軽自動車の方がリーズナブルに済むことが分かると思います。また、軽自動車は普通自動車に比べてエンジンが小さいためオイル量も少なく、タイヤサイズも小さいためタイヤ代も安く済むことが多いです。
規格上、小さく軽く仕上がる軽自動車は各種消耗品の面でもリーズナブルなのです。
(文:西川 昇吾)