NSX生産終了。生産設備を居抜きでレッドブルとモデューロに譲り大改良して売ったらいかがか?

■初代ほどの人気モデルとならなかった2代目ホンダNSX

●レッドブルNSXとしてマクラーレンと真っ向勝負!

ホンダがNSXの生産終了を発表した。販売超低迷中の現行NSX、ホンダ始まって以来の大失敗作になってしまったため、当然の選択だと思う。いや、正確に書くなら発売した後の改良や進化を全く行わなかった。優れたポテンシャルは持っていたと思うので、弱点に手を加えていけば魅力的なクルマになったかもしれません。S660といいNSXといい、見捨てるのが早すぎる。

HONDA NSX
2022年12月で生産終了となる第2世代のHONDA NSX

とはいえ今のまま生産していれば厳しい騒音規制や自動ブレーキ義務化など、新しい規制をクリアするため相応の投資が必要。投資しても赤字を増やすだけ。「だったら止めちゃえ」です。ホンダというメーカーは伝統的に作るまで情熱的ながら、失敗したら淡泊。見切りが早い。冷たいというか「釣った魚に餌はやらない」というか、客観的に見たらもったいない。

●前輪駆動システムとバッテリーを降ろして300kgの軽量化!

ホンダ本体で棄てるのなら、モデューロとかレッドブルに居抜きでバトンタッチしたらいいと思う。NSXの大失敗は激しい価格増と重量増を伴うワケワカラン前輪駆動システムにあると思う。このシステムを取り去ったら余裕で300kg以上軽くなるハズ。さらに当然ながらエンジンの楽しさをスポイルしてるハイブリッドシステムも不要。走行用バッテリー降ろす。

2代目NSX
2016年に発売し、その後大きな改良がなかった2代目NSX

とりあえず駆動系は今と同じ570馬力のV6ターボに、6速MTを組み合わせればいいだろう。スペックだけ考えたら新型コルベットを大きく上回る。マクラーレン570Cと並び、少し頑張ればランボルギーニ・ウラカンが見えてくる。マクラーレンの向こうを張り「レッドブル」というブランドにすることで騒音規制はパス出来るし、燃費規制だって相応の金額を払えば販売可能。

当然ながら生産コストは圧倒的に安くなる。何より投資不要です。ボディについていえば「棄てる」ことを決めたから、材料コストのみ。エンジンだって既存のV6を使えばいい。自動ブレーキだけれど、こらもうシステムで買ってくればよかろう。完成したクルマはレッドブルのブランドだとしたら余裕で2000万円スタート。カーボンパーツなど加えることでさらに魅力出る。

●モデューロNSXは1000万円スタートでコルベットのライバルに!

8代目シボレー・コルベット
東京オートサロン2020で日本デビューを果たした8代目シボレー・コルベット

一方、モデューロバージョンはエクステリアまで現行モデルを継続することでコストダウン出来る。シンプルさを追求し、とりあえず1000万円スタートならどうか。NSXのスタイルで車重1300kg。570馬力の6速MTであれば新型コルベットと真正面から戦える! いや、コルベットより全然カッコいい! そもそも私が欲しくなってしまうだろう。

Modulo NSX
2020年までSUPER GTではModulo NSXとしてGT500とGT300に参戦してました

2500万円のクルマとして考えたら出来の悪さばかり目立つNSXに全く魅力を感じないが、このクルマをベースにして新しい魅力を加えてきたら高い競争力を持つんじゃなかろうか。そもそもNSXを止めちゃったらしばらくホンダはスーパーカーなど作れないだろう。止めるのは簡単。始めようとしたら大変だ。今からでも遅くない。

再考してくれたら三部さんにチューしちゃいます。

著者国沢光宏