■前輪駆動、後輪駆動、全輪駆動、4xeに対応する3つの電動駆動モジュールを開発
「CASE」の中で最近、最も注目を集めているキーワードは「Electric(電動化)」といえるでしょう。
「CASE」は「Connected(コネクティッド)」、「Autonomous/Automated(自動化)」、「Shared & Services(シェア・サービス)」、「Electric(電動化)」の造語で、ダイムラーが2016年のパリモーターショーで提示して以来、自動車業界の重要用語になっています。
2021年7月8日、グループPSAとFCAからなるステランティスは、2025年までに300億ユーロ(約3兆9082億円)以上を電動化とソフトウェアの開発に投資すると発表しました。
すでに、グループPSAは、ピュアEVやプラグインハイブリッドを含めた数多くの電動化車両を日本に上陸させているほか、FCAジャパンは、プラグインハイブリッドの「ジープ」Renegade 4xeを日本で発売済みです。
今回の発表では、4つのバッテリーEVのプラットフォームをはじめ、スケーラブルな3つのEVモジュールシリーズ、標準化されるバッテリーパックにより全ブランドとセグメントにおいて電動化に対応。これにより、2030年までにヨーロッパでは販売台数の70%以上、アメリカでは40%以上がEVやプラグインハイブリッドなどになり、航続距離500-800km、1分間に32km分の急速充電が可能なバッテリーEVが主流になるそう。
また、ソフトウェアおよびハードウェアのアップグレードによりプラットフォームの長寿命化を実現し、2030年までに260GWh以上のEV用バッテリーを調達するため、欧州と北米に5つの「ギガファクトリー」を設置するとアナウンスしています。
モーター、ギアボックス、インバーターを組み合わせた3つの電動駆動モジュール(EDMs)は、コンパクトで柔軟性に富み、容易に拡張することができるそう。「EDMs」は、前輪駆動、後輪駆動、全輪駆動、4xeに対応し、ブランドや車種にあった駆動方式を柔軟に採用することができます。
(塚田勝弘)