ホンダが2024年に北米でリリースする電気自動車の名前を「プロローグ」と発表。その名前に込められた思いとは?

■まさにカーボンニュートラルへの序章。ホンダが北米向けのゼロエミッションSUVを2024年に発売開始

北米マーケットでは、CR-Vハイブリッドが電動車として売れに売れているというホンダ。次なる一手としてSUVスタイルの電気自動車(BEV)を2024年初頭に発売すること、その車名が「PROLOGUE(プロローグ)」となることを発表しました。

プロローグ・ロゴ
Hondaブランドの電気自動車(EV)としては最初のSUVとなるニューモデルの名前は「PROLOGUE(プロローグ)」と発表された

今回、発表されたのはPROLOGUEというロゴだけですが、プロローグといえば序章という意味で、物語の導入部を示す言葉です。2050年のカーボンニュートラルを目指すホンダの、北米マーケットにおけるゼロエミッション戦略を担うモデルにふさわしい名前といえるでしょう。

また、この響きからは、かつて日本で社会現象となったクーペモデル「プレリュード」を思い出すというファンもいるかもしれません。プレリュードは前奏曲という意味ですから、ニュアンスとしても非常に似た名前といえます。そこにはホンダの意欲を感じるのではないでしょうか。

GM Ultium platform
新型車「プロローグ」は、協業によりGMのプラットフォームを利用する(写真はGM提供)

そして、このプロローグはホンダとGM(ゼネラルモーターズ)の協業によって生まれる、最初のホンダ・ブランドの電気自動車となります。つまりコスト競争力が高いGM製の「アルティウム」バッテリーを搭載する、GMのプラットフォームを利用するホンダ車というわけです。

こう聞くと、試験的な台数規模のモデルと想像してしまうかもしれませんが、そんなことはありません。アメリカホンダの発表によれば、プロローグの販売規模はパスポートやパイロットなど、ホンダがアメリカ市場向けに用意するSUVの置き換えをイメージしているようです。

つまり、次世代の主力モデルを担うのがプロローグに与えられた役割です。

というのも、北米市場ではハイブリッドユーザーが電気自動車に乗り換えるケースが増えているのだそうです。初代インサイトで量産ハイブリッドカーとしてアメリカに衝撃を与えて以来、ハイブリッド市場では一定以上の存在感を示してきたホンダのブランド力からすると、電気自動車での成功も期待できるというわけです。

三部敏宏社長
2021年4月の三部敏宏社長就任会見では、北米地域において2040年までにEV・FCVの四輪販売比率100%を目指すと発言していた

さらに2024年中には、ホンダのプレミアムブランド「アキュラ」からも、アルティウム・アーキテクチャーを利用した電気自動車をローンチする予定となっています。水素燃料電池領域も含め、GMとの協業によって北米でのゼロエミッション化を進めていく予定となっています。

では、ホンダのゼロエミッション戦略はGM頼みなのかといえば、そうではありません。今回、発表したプロローグとは別に、ホンダ主導で開発している新EVプラットフォーム「e:Architecture」を採用したモデルを2020年代後半に投入予定であることもアナウンスされました。

そうして電気自動車のラインナップを増やす上で課題となるのが、電気自動車用バッテリーの確保です。

すでに発表しているように、ホンダは大容量・低コストを実現する全固体電池の独自研究を進めています。その実現は未来の話ではありません。今年度からデモンストレーションラインにより生産技術の検証が始まる予定で、全固体電池の研究も加速しています。

GMとの協業と、独自アーキテクチャーという二面戦略によって、ホンダは北米マーケットにおいて2040年までのゼロエミッション化を目指しているのです。

山本 晋也

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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