■第2世代「e-POWER」の美点も活かしたプレミアムコンパクトが誕生
新型にスイッチした日産ノートは、100%電動駆動の「e-POWER」のみとなり、最新世代のパワートレーンは、静かでスムーズ、よりEV度が増しているのが実感できます。
エンジンで発電するため、給油できれば電気切れの心配もなく、EVに興味はあるけれど、充電環境が整わない、あるいは電欠が心配…という方にとって、かなり魅力的な選択肢になります。自販連の登録車販売ランキングでもここ数ヵ月は4位〜7位を維持しています。
2021年6月15日、新型ノートに最上級グレードとなる「AURA(オーラ)」が発表されました。発売は2021秋の予定です。
プレミアムコンパクトとして提案されるノート・オーラは、日本車のコンパクトカーではガチンコとなるライバルは少なそうで、フォルクスワーゲン・ポロやMINI、プジョー208などの欧州Bセグメントモデルやトヨタ・プリウスなどからのダウンサイザーも想定しているとのこと。
「クルマのオートクチュール」を目指したというオーラ。新型EVのアリアと同等のイメージが与えられたエクステリアは、最上級グレードにふさわしい仕立てになっています。
新型のVモーショングリルは、日本人の本質的な美意識に訴える精緻な作りで、専用フロントグリルやプロジェクターは4連LEDで、シーケンシャルターン、LEDフォグランプの採用により、先進的で表情の豊かさを感じさせます。
リヤビューは、世界的な流行といえる横基調のテールランプが目を惹きます。テール、ストップ、ターン、バックの各ランプまでLED化され、横一文字のリヤコンビランプに加えて、「AURA」のロゴマークがテール左側に配置され、他グレードとの違いを生んでいます。
足元は、17インチアルミホイールが全車に標準化されています。切削光輝のアルミホイールは、クラッディング、ブラック塗装が施されたフィニッシャーにより、先進性だけでなく空力向上にも寄与するそうです。
インテリアはラウンジでくつろいでいるような心地良さが追求され、木目調フィニッシャーとツイード柄インパネ表皮がアクセントになっています。オープンポア仕上げの木目調パネルが用意され、オーラ専用として「ブラック/カッパー」の組み合わせも用意。
シート素材は、ファッション性の高い素材感にこだわり、ヘリンボン柄の目付けにも気を配ったというツイード調織物と合皮のコンビシートのほか、クッション材を多用し、キルティングラインの向きで身体の滑りを防ぐことにも配慮された上質な本革シートも設定されています。
さらに、前後シートは人間工学に基づき疲労が軽減するように設計された「ゼログラビティシート」が用意されています。
ドアトリムやフロントセンターアームレスト、そしてインストパネルにもツイード調織物が配置されています。メーターパネルは、フルTFTが使われていて、高い視認性と先進性を感じさせる「アドバンスドドライブアシストディスプレイ (12.3 インチカラーディスプレイ)」が採用されています。
9インチの「NissanConnect ナビゲーションシステム」と1枚につながり、美しさと機能性を両立。 また、フロントセンターアームレストに腕を置いたまま、指先だけで楽に操作することが可能な電動シフトは、先代よりも適度な節度感もあり、操作性が向上しているのがうれしいところ。
ノート・オーラは、第2世代「e-POWER」に、最高出力100kW・最大トルク300Nmのモーターが組み合わされています。2WDのほか、4輪を強力なモーターで駆動、制御する次世代の電動4輪駆動システムの「e-POWER 4WD」も設定され、雪道などの滑りやすい路面も含め、路面状態を問わず新次元の走りを提供。
なお、ベースのノートから出力は18%、トルクは7%アップしていて、出だしから中間加速、高速域まで力強く、伸びやかな走りを堪能できるのもノート・オーラの美点です。
価格は2WDの「G」が261万円、「G leather edition 」が269万9400円。4WDの「G FOUR」が286万8800円、「G FOUR leather edition 」が295万7900円です。
国産コンパクトカーのプレミアムモデルは、一部のファンから支持されてきたマツダ・ベリーサなどを除き、日本勢ではなかなか成功してなかった印象を受けます。
日産ノート・オーラは、スムーズでEV度合いの高い走りや静粛性など、ベース車の良さをさらに引き上げていて、AUTECH仕様でも実績を積み重ねていますから、ヒットするポテンシャルを秘めていそうです。
(文:塚田 勝弘/写真:井上 誠)