新型VWパサートで検証! 新東名の最高速度が120キロになって、燃費や走りやすさはどう変わった?【新車・試乗】

■2Lディーゼルターボエンジンの実燃費で2.9km/Lの違いが出た!

2020年12月22日、新東名高速道路の御殿場JCT~浜松いなさJCT間の約145kmで全6車線化が完成。同時に乗用車などの最高速度規制が同区間で120km/hに引き上げられました。

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ディーゼルエンジン特有の粘りのあるパワーでスムーズに加速を実現するパサートオールトラック。

今回最高速度120km/hとなったのは、道路交通法によってこれまで最高速度が100km/hと定められていた、普通乗用車、大型乗用車(観光バス)、中型乗用自動車(マイクロバス)、特定中型貨物自動車を除いた中型貨物自動車(車両総重量8トン未満・最大積載量5トン未満)、準中型自動車、125ccを超える自動二輪車そして、緊急自動車となっています。

大型貨物自動車などの最高速度は80km/hのままで変更されていません。

管轄している静岡県警察本部の注意事項を見ると、最高速度は「120キロ」に引き上げられていますが、「交通状況に応じた安全な速度で走行してください」と書いています。

そこで、今回はマイナーチェンジしたばかりのフォルクスワーゲン・パサートオールトラックTDI 4MOTIONアドバンスで、新東名を最高速度を従来の100km/h、そして新基準の120km/hで走行し、燃費や走りやすさなどはどう変わるのかを検証してみました。

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マイナーチェンジしたパサートオールトラックのフロントスタイル。

パサートオールトラックTDI 4MOTIONアドバンスに搭載されているエンジンは最高出力190ps・最大トルク400Nmを発生する2L直列4気筒ディーゼルターボ です。組み合わされるトランスミッションは従来モデルでは6速DSGを搭載していましたが、今回のマイナーチェンジで7速DSGに多段化されています。

駆動方式は4MOTIONと呼ばれるフルタイム4WDで、前後輪のトルクをフロント100:リア0から50:50の範囲で最適に配分するシステムです。さらに、アダプティブシャシーコントロール、CDCを採用。このシステムは、ダンパーの減衰力や電動パワーステアリングの特性を瞬時にコントロールする先進のサスペンションシステムのこと。

日常走行に適した「ノーマル」、快適な乗り心地を維持する「コンフォート」そして俊敏性を高める「スポーツ」の3種類から選ぶことが可能です。

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マイナーチェンジしたパサートオールトラックのリアスタイル。

パサートオールトラックTDI 4MOTIONアドバンスの燃費性能はWLTCモードで15.0km/L。高速道路モードのWLTC-Hでは17.0km/Lという優れた燃費性能を発揮します。

今回のテストは、新東名高速道路の駿河湾沼津SAと浜松SAの上下線で実施。アダプティブクルーズコントロールを使用し、最高速度を下りは120km/h、上りを100km/hで固定。そしてドライビングプロファイル付DCCは「コンフォート」に設定しました。一体、燃費そして移動時間はどれくらい変わるのでしょうか。

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駿河湾沼津SA下り。

テスト走行した区間の駿河湾沼津SAと浜松SAの距離は約114kmです。往路はアダプティブクルーズコントロールの上限を120km/hに設定して走行しました。片側3車線となった新東名高速はスムーズなクルージング走行が行えます。

3車線化したことによって、大型のトラックが一番左の車線を走行しているケースが多くなり、真ん中の走行車線を120km/hでスイスイと走行できます。ただ、100km/hで走行している乗用車も見掛けられ、速度をできるだけキープするために頻繁に追い越し車線を使用して追い越しを行いました。

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浜松SA下り。

目立った渋滞もなく、テスト終了。120km/hで走行した往路の燃費は17.1km/LとWLTC-Hの数値をクリアしています。平均速度は109km/hで設定速度の90.8%を達成。そして所要時間は1時間3分でした。

復路は浜松SAから駿河湾沼津の上り線で、アダプティブクルーズコントロールの上限を100km/hに設定して行いました。復路よりも走行しているクルマの台数は若干多かったですが、大型トラックなどは左車線を走行しているので、真ん中の走行車線をスムーズにクルージング可能です。

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テストはほぼACCを作動させ、往路は120km/hに設定した。
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カタログ燃費WLTC-Hの17.0km/Lを0.1km/h上回った。

100km/hでのクルージング走行は、まさに「流れに乗った走り」と言えるもので、車線変更もあまりすることなく、走破できました。

走行した距離は往路と同じ約114kmですが、燃費はなんと!20km/Lを達成。走行時間は114分と11分多く掛かっていますが、平均速度は93km/hと設定速度の93%となりました。これは100km/hで走行した方が速度変化は少ないと言えるでしょう。

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復路のテストではACCを100km/hに設定。
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100km/hで走行した結果、燃費は20km/Lを達成した。

結果を見ると、当たり前ながら最高速度を120km/hに挙げると移動時間は短くなります。その一方で燃費性能そして走りやすさという点では、100km/hのほうが上回っていると言えるでしょう。

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マイナーチェンジしたパサートオールトラックのインパネ。DSGは7速へと多段化した。
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最大トルク400Nmを発生する2Lディーゼルターボエンジン。

最高速度が120km/hにアップしましたが、「狭い日本そんなに急いでどこへいく」という言葉がありますが、新東名高速は100~110km/hぐらいでクルージング走行したほうが、燃費性能だけでなくよりスムーズに走行できることがわかりました。

ぜひ、皆さんもこのデータを参考にして、高速道路を安全に走行してください。

(文・写真:萩原 文博)

この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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