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■発光色や光量、点滅周期、取り付け位置などの基本的な仕様を規定
●Eマーク(ECE規格)付きであれば、保安基準適合とみなされ車検を通すことが可能
ウィンカーは、左右折や車線変更などを事前に周囲に知らせる方向指示器です。視認性を上げるため橙色で点滅するのが特徴ですが、点滅の周期は60~120回/分に規定されています。最近流行りのLEDやシーケンシャル点灯も保安基準を守れば問題ありません。
ウィンカーのカスタム化に関わる基本的な保安基準について、解説していきます。
●ウィンカーに関する保安基準
ウィンカーに関する保安基準には、方向指示器としての様々な要件が定められています。代表的なのは、ウィンカーの光色や明るさ(光量)、レンズ(照明部)の面積、点滅周期、取り付け位置などです。これらが、ウィンカーのカスタム化や交換の際に問題になります。
・ウィンカーの発光色と光量(明るさ)
灯火の色は橙色(オレンジ色)、明るさは10W以上60W以下(2005年以前製造のバイクは60W以下の上限なし)
・ウィンカーのレンズ(照明部)面積
照明部とは、ウィンカーのレンズ部を指し、面積は7平方センチ以上
・取り付け位置
フロントは最内縁が240mm以上離れていること、リアは発光面の中心が150mm以上は離れていること、地上2.3m以下でバイクの中心面に対して左右対称であること、ウィンカーの内側方向20°、外側80°の範囲のどこからでも視認できることが規定されています。
・点滅
60~120回/分の一定周期で点滅すること。点滅が遅すぎても早すぎてもNG、周期が不安定なのも違法です。
・その他
レンズの損傷や著しい汚損がないこと
●LEDに交換しても車検に通るか
最近は、バイクでもLEDが純正ライトとして採用され、人気のカスタム化のひとつです。LEDは、電気を流すと発光する半導体の発光ダイオードで、クルマでは軽でも使われるほど普及しています。ハロゲンより明るく、最大の特徴は15年という圧倒的な長寿命で消費電力が非常に少ないことです。一方、課題は価格が高いことです。
上記の保安基準を守りさえすれば、LEDだからHIDだからダメということでなく、何の問題もありません。ただし、白色LEDで赤いレンズカバーを使う方法は、減光するので注意が必要です。また一般的なLEDランプは、複数個のLED発光素子を組み合わせたマルチチップタイプなので、その中のひとつでも発光しなくなると球切れとみなされ、車検に通りません。
●シーケンシャルウィンカーは車検に通る
シーケンシャル(連鎖式点灯)ウィンカーは点滅が流れるウィンカーで、自動車で採用例があります。このシーケンシャルウィンカーも保安基準を満たせば車検に通りますが、以下に留意する必要があります。
・内側から外側に流れること
・点滅周期は60~120回/分、一定のリズムで流れること
・最後のLEDが消えるまで、他のLEDが消えないこと
1個点灯→2個点灯→3個点灯・・・・最後が点灯した後、前部が消えてまた流れるという方式です。
●Eマーク付きウィンカー
「Eマーク」付ウィンカーは、保安基準に適合しているとみなされます。Eマークとは、国連欧州経済委員会規格(ECE規格)に適合したこと証明するマークです。
日本は、世界調和を目指すECE規格の部品を積極的に取り入れようとしており、Eマークがついていれば日本の保安基準に適合していることにしています。ただし、何でもよいということでなく、取り付け位置や視認範囲が基準外なら、通らないこともあるので注意が必要です。
最近、LEDはもちろん、シーケンシャルウィンカーやEマーク付きのウィンカーが増えており、ウィンカーのカスタム化や交換の選択肢が増えています。ただし、保安基準を満たすことが大前提なので、取り付けた後で不適合では台無しなので専門の整備業者に予めチェックしてもらうのが安心です。
(Mr.ソラン)