車検の費用は?自分でやれば2万円程度で済ませることも可能【バイク用語辞典:点検・検査編】

■重量税などの法定費用と整備費用などの基本費用で構成

●バイクショップや整備業者に依頼する場合は4万~6万円が相場

車検には、重量税や自賠責保険の法定費用と代行手数料や整備費用などの基本費用がかかります。法定費用は一律ですが、基本費用は依頼するバイクショップや整備業者によって変動します。

排気量250cc超バイクに義務化されている車検の費用と内訳について、解説していきます。

●車検とは

車検の正式名称は、「自動車検査登録制度」で登録後の初回のみ3年、その後は2年ごとに保安基準に適合しているかどうかを確認する制度です。具体的には、車検証の記載仕様との照合、灯火類、排ガス・騒音、ブレーキ系などの検査を行います。ただし、車検が義務付けられているのは、エンジン排気量が250cc超のバイクに限られます。

車検にかかる費用は、法定費用と基本費用に分けられます。

法定費用は、排気量に応じて法律で定められた一律の費用です。基本費用は、車検をバイクショップなどに依頼した場合の整備費用や代行費用などで、どの業者に依頼するかによって費用が変動します。

ユーザー車検は、バイクを検査場に持ち込み自分で車検を行うので、基本的には法定費用だけなので安く済みます。

●法定費用

法定費用としては、重量税と自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)、印紙代があります。

重量税
重量税

・重量税
初年度登録時は、5700円、その後の継続検査(車検)時は初度登録より13年未満は3800円、13年超から18年未満は4400円、18年超は5000円が課せられます。

・自賠責保険
自賠責保険バイクのユーザーすべてが加入することが義務付けられている保険で、強制保険とも呼ばれます。万一の事故に備えて被害者救済のための最低限の補償をする保険です。2年契約で9680円、3年契約の場合は1万1900円です。

・印紙代
審査の印紙代は1300円、検査手数料は400円、用紙の印紙代は50円、合計1750円です。

以上、初度登録の法定費用は1万9350円、2年ごとの継続検査(車検)の法定費用では1万5230円となります。

●基本費用

車検をバイクショップなどに依頼した場合の基本費用として、代行手数料や検査諸費用、整備諸費用などが発生します。

代行手数料と検査諸費用とは、車検に必要な書類(継続審査申請書、自動車重量税納付書、自動車検査票)の作成やバイクの搬送、試験場での審査対応などで、依頼した業者によりますが、1万5000~2万円になります。また整備諸費用は、車検と同時に実施する法定24ヶ月点検も含めた整備費用で、これも1万5000~2万円程度かかります。

基本費用は、車検を依頼したバイクショップや整備業者によって変動し、交換部品の有無などバイクの状態によっても大きく変わりますが、合計で約3万~4万円程度の費用が発生します。

前述の法定費用と合わせると、車検時の費用はおおよそ4万~6万円になります。費用を節約するため、ユーザー車検で対応すると法定費用分だけの2万円以下に抑えることができます。


車検費用を安く済ませるには、ユーザー車検が最も有効ですが、ユーザー車検は誰でもできるわけでなく、バイクに対するある程度の知識と技術が必要です。自信がない人は、信頼できる格安バイクショップや整備業者を探して、お願いするのがいいでしょう。

(Mr.ソラン)

この記事の著者

Mr. ソラン 近影

Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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