■難題だらけのイバラの道をあえて選んだ革命的86
パーツが豊富、壊れない、流通量が多いと、スワップベースとして引く手あまたの人気を誇っているのがトヨタJZ系6気筒エンジンです。ドリフトシーンではこのエンジンを搭載したシルビアが活躍するように、メーカーの垣根はもはや関係ない状況です。


しかしそれは公認を取らない前提であり、かつエンジンと車両が同世代だから作りやすい、という事情があります。
前回の東京オートサロン2020でも注目を浴びていたのが神奈川のスペシャルショップ、ワークスが提案する「JZ86」です。
現行世代の86の車体に30年前のエンジン1JZを載せるという荒技ですが、排ガス対応や地上高などの寸法、プロペラシャフト等の強度試験、騒音、保安基準などもろもろを含め「オール合法」をうたう驚きのマシンなのです。

エアコン、メーター、パワステはベースの86のものをそのまま活かしています。86のCANと1JZの制御系とミックスしながら、気の遠くなるような解析を経てのドッキング作業だったそうです。
公認ゲットまでには、運輸支局に通うこと5年もの歳月と500万円に迫る試験料がかかったそうです。
排ガス試験に関しては、実用新案取得の浄化ユニットのおかげもありパスすることができました。ワークス代表・藤ヶ崎さんの気の遠くなる挑戦でした。誰も成し遂げてない偉業には血のにじむような努力が必要だったのです。


といっても藤ヶ崎さんは、1JZ搭載86のコンプリートカーをご自身の商売に結びつけるつもりはあまりないようです。それは、ドナー車両の相場高騰も理由に挙げられます。
東京オートサロン2020出品時、多くの方から「ボクにも作ってください」オファーが殺到したようですが、満足のいくドナーが見つけにくいこともあり、このデモカー以外は「JZ86」が世に出ていないそうです。

我こそは!とJZ86を仕上げてほしい望みがあるなら、ぜひワークスへ熱い思いを伝えてみることをおススメします。
(畑澤 清志)
【車輌データ】
出展者名:株式会社ワークス
出展車両名:JZ86/ベース車両:/トヨタ86/エンジン:1JZ-GTE/排気量:2500cc出力:280ps/6200rpm/トルク:38.5kg-m/装着パーツなど:FLEXクーリングラジエター&オイルクーラー、TRUSTコンフォートスポーツ改マフラー、WORKS、オリジナルエキマニ、R154ミッション、ORCクラッチ、KAAZ LSD、Rocket Bunny ver.2ボディキット、ボディカラー:Lamborghini Grigio Lynx(近代アイディア)、サイクルフェンダー化、ワイヤータック、各所クロームメッキ、BRIDE ZETAIV、MOMOステアリング、Defi wi-fiメーター、Androidオーディオ&ナビ、内装アルカンターラ施工、サスペンション:DG5×MMM +SWIFT F12kg/mm・R8kg/mm、ENDLESS 6POTキャリパー、PRO COMPOSITEドライカーボンルーフ、トヨシマクラフト・クーリングカーボンボンネット/ホイール:WORK MISTER S1R MBL GG/ホイールサイズ:F18×9.5J -5・R18×10J-19/タイヤ:NANKANG/タイヤサイズ:F225/35R18・R255/35R18/車両重量:1300kg