【LEGO PORSCHE 911】930ターボとタルガを作り分けられるレゴの超魅力的キット!

■911専用部品はたったの3つ!それでこんな忠実なポルシェ930が完成するレゴ・マジック!!

●ご褒美のLEGOに釣られ続けた少年時代

個人的な思い出で恐縮ですが、子供の頃エレクトーンを習ってたんです。けど、正直言って面白くもなんとも無い、というより、「周りは生徒も先生もオンナばっか、レッスンに行くのが苦でしょうがない!」と思ってたものです。

LEGOポルシェ911/LEGO初採用となる群馬ナンバーは日本アニメの人気からかも?
LEGOポルシェ911/LEGO初採用となる群馬ナンバーは日本アニメの人気からかも?

まあ、無理くりにでもヤマハ音楽教室に通わされたおかげで音楽の成績はなーんもしなくてもいつも良かったし、一応絶対音感もあるみたいだし、いまでも鍵盤楽器はちょっとだけ弾けるんで、親にはすごく感謝してます。

なんでそんなつまんねぇ昔話から入るかって言うと、そのエレクトーンのグレード試験ってのがあって、その合格した時の親からのご褒美がLEGOだったんです。まんまとLEGOに釣られて嫌な音楽教室へ通ったと言っても過言ではないでしょう。

というくらいにLEGOが好きでした。

LEGOポルシェ911/ターボとタルガ、同じキットからどちらかを作り出すことが可能

もちろん、今でも好きなんですが、最近はとんとそのピースに触ることは無くなってしまいました。けれど、VWバスやウニモグなんかがLEGOで発売されるたびに「買っちゃおうかな〜」と思ってたのはウソではありません。

けれど、今度ばかりはそのニュースを見たときから「こいつだけは手に入れるべき!」と誓ったのです。

それがこのポルシェ911のLEGOです。

あの早瀬左近が乗ってた(のは、確かナローのカレラRS 2.7でしたが)911です。

我々スーパーカー世代を狙い撃ちするこの911、ベースとなったのはどこからどう見ても分かる通り930ですね。

2018年11月新型ポルシェ911(992)がLAショーで発表された会場にあった実物大911レゴ
2018年11月新型ポルシェ911(992)がLAショーで発表された会場にあった実物大911レゴ

私、2018年のロサンゼルス・モーターショーに行ってたんですが、ポルシェは現行モデルとしての911である992型をワールドプレミアしました。

その会場には恐らくLEGOと思われる実物大の911(やっぱり930かな?)が展示されてましたが、そのときのモデルよりもかなり出来栄えはいいと思われます。

●気になる930が選ばれしワケはビッグバンパーにあり

さて、この精密に再現された911は、大人のために作られた大人のレゴシリーズです。自分なんかは大人になり切れてないと思っても、年齢的に十分以上にその範疇ですわ。

LEGOは、子供のおもちゃでなく欧米など海外では大人が作るのも一般的だそうで、コロナの影響によりお家時間が増え、子供の頃遊んでいたリターンユーザーも増えているんだそうです。

LEGOポルシェ911/ターボを作ったけど後からタルガへ改造も可能
LEGOポルシェ911/ターボを作った後からタルガへ改造も可能

けれど、通常開発に2−3年かかるそうで、タイミングからもわかるようにこの製品はコロナ禍の影響を狙って出したのではなく、LEGO社内にある社員が好きなことをやる「遊び時間」からデザイナーが生み出したんだといいます。

そのデザイナー氏が最初に手掛けたのは911ターボだそうですが、別のデザイナーがタルガを作った。それで、今回の製品は最終的にターボにもタルガにもできるハイブリッド仕様になっています。

言語が記されてない設計図に従って、順番にパーツの入った袋を開封していくんですが、それが8番まで進んだ際、ターボを作る人は9番、タルガにしたい人は9番を飛ばして10番の袋を開けることになるのです。ポルシェを新車で購入する人になりきり選択の悩みが味わえる、そんな楽しみもあるわけですね。

LEGOポルシェ911/ターボ、タルガでエンジンも変えているというこだわり
LEGOポルシェ911/ターボ、タルガでエンジンも変えているというこだわり

LEGOポルシェは、もちろんドイツのポルシェAGとパートナーシップを結んでのプロジェクトであり、デンマークのLEGO開発チームはヴァイザッハのデザイナー、ポルシェミュージアム館長とともに開発が進められたといいます。やはりこのご時世、最終段階ではリモート会議で進められたとのこと。

Gシリーズ930が選ばれた理由については、ナローで再現するには当然ながら他の911と大きく違うメッキバンパーが必要となる。それがLEGOでは色も形も再現しにくく、どうしても樹脂のビッグバンパーが再現しやすい。また、911シリーズの中でも特徴的な曲線をもっとも美しく再現できるのが930である、とのLEGOとポルシェの両デザイナー判断だそうです。

LEGOポルシェ911/シートカラーにはクラシカルなイメージのヌガーカラーが選ばれた
LEGOポルシェ911/シートカラーにはクラシカルなイメージのヌガーカラーが選ばれた

ドアやフードなどの蓋モノの開閉はもちろん、ステアリングホイールに連動してフロントタイヤは左右に切れ、ヌガーカラーのシートも稼働。タルガの外した屋根をフロントラゲッジコンパートメントにしまうこともできるし、ターボのワイドトレッドを表現するため、リヤアクスルの長さもターボ用には長いものが用意されています。

LEGOポルシェ911/可動部を実演解説するレゴジャパン杉本さん

もちろんLEGOですから、一度組み立てても全バラにして元通りのピースに戻すことが可能。つまり、ターボのパワーにも飽きちゃったからタルガにして西海岸をオープンエアで流す…なんて妄想しながらの作り直しもできちゃうわけです。それも追加費用ゼロで。

フロントフード上にあるポルシェエンブレムのバッジは精緻なプリントです、子供向けLEGOにはステッカーの場合が多いそうですが、大人LEGOにはなるべく綺麗な仕上がりを目指しての選択だそうです。あのステッカー、ピースをまたいで貼っちゃうと、もうバラせなくなるんですよね。ありがたいですね。

LEGOポルシェ911/4つの選べるナンバープレートには群馬ナンバーが含まれる

ナンバープレートは4種類から選択可能で、LEGOとしては初の日本のプレートも選べます。そしてその地域名は「群馬ナンバー」となっています。公式には榛名山をドライブするのにいいから、だそうですが、いやいや、あの漫画、アニメを意識しているのは間違いないでしょう! そして、「群馬93 10-295」の数字部分、デザイナーさんの遊び心で決められてるとか。こちらはLEGO社内でもその数字が何なのか明らかになっていないとのことで、皆さんも考えてみて下さい。

LEGOポルシェ911/今回911を娘さんと組み立てたというポルシェジャパン広報の黒岩さん

完成までに要する時間は、ポルシェジャパン広報の黒岩さんの場合で、小さな娘さんと一緒に楽しみながらやって6時間程度、慣れた早い人だと4時間くらいではないか、とのこと。

さて、この魅力たっぷりなLEGOポルシェ911(930)ですが、一番感動したのはこの複雑な曲線で見事に930のボディを12分の1サイズの大きさに再現するに当たり、組み立てるキットに含まれるピース数1,458個のパーツで、この製品のために専用開発したピースはたったの3種類とのこと。

LEGOポルシェ911/この製品のための専用パーツはリヤフェンダー後端とターボのオーバーフェンダー
LEGOポルシェ911/この製品のための専用パーツはリヤフェンダー後端とターボのオーバーフェンダー

ひとつがリヤフェンダー後半のエンジンフードに沿ってなだらかにカーブしている部分、もうひとつがターボ専用のオーバーフェンダーだそう(もうひとつは現段階で不明)。

LEGOポルシェ911/ヘッドライトは既存パーツながら911のアイデンティティを角度で表現
LEGOポルシェ911/ヘッドライトは既存パーツながら911のアイデンティティを角度で表現

LEGOでキットと関係なくオリジナルに作った経験のある人なら既存パーツで再現することの難しさを痛感した経験者は多いハズ。これほど原形のイメージを再現しながらそれだけ専用パーツが少ないことには驚愕です。

ちなみに、もっとも特徴を表すひとつ、ヘッドライト自体は既存パーツでおそらくビートルなどに使われているのかもしれませんが、それが911用と見せるために角度には工夫とこだわりがあるようです。それで911らしく見えるんですね、なるほど納得です。。

現在、成人の73%がリラックスできる方法を探しているんだそうで、LEGOは大人にとっても遊ぶことを大切と考え、

Joy of Building(作ることの楽しさ)
Pride of Creation(作ることの誇り)

を大事にしているそうです。

LEGOポルシェ911/ターボから作るか?タルガから作るか?どっち?
LEGOポルシェ911/ターボから作るか?タルガから作るか?どっち?

子供の頃のように、もう一度ものづくりにチャレンジするには、この911は非常に良い題材だと思います。難易度や精度の面から初心者にも上級者にもオススメです。おウチ時間が増えたいま、始めてみるのにいいのではないでしょうか。あ、でも、テレワークで誰も見てないからって、おウチで業務時間中にやるのは、就業規則とよく照らし合わせてからにしてくださいね。

<LEGO ポルシェ 911 SPECIFICATION>
シリーズ・製品名:レゴ®ポルシェ 911
製品番号:10295
希望小売価格:オープン価格
対象年齢:18歳以上
ピース数:1,458個
サイズ:高さ10cm 幅16cm 奥行35cm
発売日:2021年3月1日(火)
販売店舗:全国のレゴストア及びレゴ認定販売店ベネリック レゴストア 楽天市場店/レゴランド・ジャパン・リゾート/レゴランド・ディスカバリー・センター東京/レゴランド・ディスカバリー・センター大阪

(文・撮影:クリッカー編集長 小林 和久

 

この記事の著者

編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
続きを見る
閉じる