「ながら運転」「居眠り運転」をドライブレコーダーの映像からAIで検出する技術をデンソーテンとディジタルメディアプロフェッショナルが開発

■車内カメラに映るドライバーの動作(挙動)もAIが学習

デンソーテンとディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)は、ドライブレコーダーを活用し、ヒヤリハット映像を自動で抽出する技術を開発したと発表しました。

同技術は、デンソーテンが提供する通信型ドライブレコーダーの映像とDMPのAI画像認識ソフトウエアサービス「ZIA Cloud SAFE」を活用するものです。走行中のドライバーの脇見、スマホの操作による片手運転などの「ながら運転」や「居眠り運転」行動を分析して、ヒヤリハット映像として自動で抽出することができます。

デンソーテン DMP
デンソーテンとDMPがドライブレコーダーとAIを活用した技術を開発

車両に強い衝撃が加わると、ドライブレコーダーの車内カメラ映像がクラウドセンターに自動で送信され、顔の向きや目線などをAIが画像解析。AI解析精度を上げるためには、実際の事故に基づいた膨大な分析データが必要になるそう。

デンソーテンは、長年蓄積した実際の事故データを対象物、シーン(交差点、カーブ、直線)、要因などに分類やタグ付けを行い、分析を進めてきたとしています。その分析データを元に、クラウド側での画像認識能力や学習機能が大きく向上した「ZIA Cloud SAFE」によりAIを構築することで、事故につながる恐れのあるヒヤリハット映像の判別精度を高めています。

今回の技術開発では、車内カメラに映るドライバーの動作(挙動)もAIに学習させることで、脇見、片手運転などの「ながら運転」や「居眠り運転」分析を高い精度で実現したそうです。

同技術は、現在、デンソーテンが発売している法人向けの通信型ドライブレコーダー「G500Lite」に追加される予定で、すでに「G500Lite」を利用している顧客も活用できるように、専用カメラではなく、既存カメラで映像を抽出することが可能としています。同技術を営業車や社有車を保有している企業が採用すれば、強い衝撃の原因が外的要因か、ドライバーの不注意による要因なのかをAIが自動的に判断するため、管理者の原因把握に掛かる工数削減につながるとしています。

個人向けには、ドライブレコーダー連携型の自動車保険(任意保険の特約など)もあります。さらに、同技術と自動車保険と組み合わせることで、個人向けにもこうしたニーズはあるかもしれません。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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