Cセグメントに新風を巻き起こす!?  新型「DS 4」には「DS 4」「DS 4 CROSS」「DS 4 PERFORMANCE Line」の3バリエーションを設定

■純ガソリン&ディーゼル車、プラグインハイブリッドを用意

DSオートモビルは、DS 7 CROSSBACK、DS 3 CROSSBACK、DS 9に続く第4のモデルとして「DS 4」をフランス本国で発表しました。全長4400×全幅1830×全高1470mmというCセグメント級の全長ですが、全幅はDセグメント級のワイドボディになっています。

DS 4
新型DS 4のエクステリア
DS4
新型DS 4のリヤビュー

バリエーションは「DS 4」「DS 4 CROSS」「DS 4 PERFORMANCE Line」という3つのバージョンが設定されています。「DS 4」は70%が新規設計、もしくは専用部品で構成されていて、「EMP2」プラットフォームが使われています。

発表時点からプラグインハイブリッドを用意(最高出力225ps、ゼロエミッションモードでの複合WLTPサイクル航続距離50km以上)。新世代のプラグインハイブリッド(PHEV)は、180psの4気筒ターボエンジンに110psの電気モーターと「e-EAT8」オートマチックトランスミッションが組み合わされ、システム総合で225psを発生。

より効率を増し、コンパクトでありながら容量を増したバッテリーセルはトーションビームの後方に配置。変形可能なビームの後ろに配置された、よりコンパクトで大容量の新しいセルによる効率的なバッテリーが搭載されています。また、純ガソリンエンジン車の「PureTech」は130ps、180ps、225psのエンジンバージョンを設定。純ディーゼルバージョンは「BlueHDi」の130psで、トランスミッションは、8速ATのみとなります。

DS4
DS 4のインテリア
DS4
シグネチャーが目を惹くフロントマスク

エクステリアをチェックすると、フロントマスクで目を惹くのは、新しいデザインのライトシグネチャーで、スリムなプロジェクターヘッドランプには「DS MATRIX LED VISION」システムが搭載されています。左右に2列のLEDで構成されたデイタイムランニングライト(計98個のLED)付で、DS 4の印象的な表情を生んでいます。

DSウィングは、ヘッドランプとフロントグリルをつなぎ、バージョンによって異なるものの、ダイヤモンドがモチーフの大小2つのパーツで構成されていて、三次元構成の立体的なグリルのなかで際立っています。その上には、長いフロントフードがシルエットのダイナミズムを表現しているそう。

流麗さとシャープなラインが際立つサイドビューも印象的です。採用される「フラッシュ・フィッティング・ドアハンドル」は、サイド面の彫刻的な面構成を強調。コンパクトな全長と大径ホイール(エアロインサート付きの最大20インチ)によるそのフォルムは、「DS AERO SPORT LOUNGE」コンセプトに由来するものだそう。堂々とした独特の存在感を醸し出しています。

一方のリヤビューは、ルーフ急角度で落ち込むリヤウインドウに向けて、低く長く伸びています。このリヤウインドウには、「エナメルスクリーンプリント」が施されているのも特徴。スタイリッシュであると同時に、ダイナミックなシルエットになっています。

さらに、リヤフェンダーのシャープなエッジとボディの造形がグロスブラックに塗られ、「DSオートモビル」のバッジが備わったCピラーを強調。印象的な筋肉質なエクステリアを力強く見せています。そしてレーザーエンボスが施された立体的な印象をもたらす新世代のライトシグネチャーがテールを引き締めています。

DS AERO SPORT LOUNGEコンセプト
「DS AERO SPORT LOUNGE」コンセプトのフロント

3つのバリエーションをチェックすると、「DS 4」シリーズは、ひとつのシルエットでありながら、いくつものテイストに変身するのが特徴。シリーズの中核となる「DS 4」ではエレガンスなテイストが特徴で、スペシャルなバンパー、繊細なクローム仕上げとブラックルーフ、堂々としたアスレチックなスタンスが目を惹きます。

「DS 4 CROSS」には、SUV的なテイストが付加されています。バンパー下部のマットブラックの塗装とプロテクターがSUVらしさを演出。サイドウィンドウフレーム上部のグロスブラック処理、グロスブラックのフロントグリル、特徴的なアロイホイール、ルーフバー、ボディ同色ルーフがSUVテイストを強調しています。

DS AERO SPORT LOUNGEコンセプト
DS AERO SPORT LOUNGEコンセプトのリヤビュー

専用オプションとして、「DS 4 CROSS」には「サンド」「スノー」「マッド」の状況でグリップを向上させる「アドバンストトラクションコントロール」と、ヒルアシストディセントコントロールが装備されています。

最もダイナミックなのが「DS 4 PERFORMANCELINE」。ブラックカラーのエクステリアに「ブラックパック(DSウイング」、リヤライトガーニッシュ、フロントグリル、サイドウィンドウフレーム)と専用のインテリアトリムとホイールが装着されています。

インテリアは、シームレスで人間工学に基づいたデジタルインテリアが採用されています。DSならではの「移動の美」を掲げ、新しい操作レイアウトで表現されています。3つにゾーニングされたインターフェイスやラグジュアリーウオッチの文字盤からインスパイアされた、DSらしいクル・ド・パリのギョシェ装飾が特徴です。

先進安全装備も最新バージョンが採用されるなど、見どころ満載のDS 4。DS 4は、欧州、アジア、南米、アフリカに導入される見込みで、2021年の第4四半期に発売予定とされています。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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