■Walter Wolf Racing ヴァナゴン【アジア工業】
アジア工業の代表がウォルター・ウルフ氏と親交があるということで、Walter Wolf Racing(ウォルター・ウルフ・レーシング)の名称を日本で使うことが許されているという……なんだかすごい話なのですが、そのWalter Wolf Racingとして出品したフォルクスワーゲンがこれまたすごかったです。
オートサロンTV撮影のために待機していると、ほかの出展社や関係者が次々に近寄ってクルマに見入るのです。間違いなく、今回の出展車のなかで1、2を争うインパクトをもつクルマでした。
このクルマにはオリジナルモデルがあって、それはアメリカ人のロン・ベリー氏が作った「サーフシーカー」というクルマです。アジア工業代表はこの「サーフシーカー」を購入するためにアメリカまで出向いたのですが売ってくれず、それなら作っていいか?と許可をもらい、自社で約2年半の歳月を掛けて作り上げたということです。
ベースとなっているのは1989年型のフォルクスワーゲン・ヴァナゴンです。
ヴァナゴンのパーツで使われているのはエンジン、ミッション、シャシーの一部といったものだけで、あとは基本的にワンオフで作り上げているのです。
資料は写真のみで、それを元にして手作りでクルマを作り上げています。ホイールベースはノーマルよりも1m短縮され、そこに24インチのホイール&タイヤを付けているので、前後輪はかなり近くに感じます。
アジア工業では100年前のクラッシックカーを当時のままに復元することも可能で、3Dデータなどに頼ることなく写真だけでもここまでやれるということをアピールしています。
●Walter Wolf Racing(ウォルター・ウルフ・レーシング)/フォルクスワーゲン・ヴァナゴン/ベース車両メーカー(フォルクスワーゲン・ヴァナゴン)/装着パーツなど:ボディ上部:パールホワイト・ステンレス製モール鏡面仕上げ/ボディ下部:メタリックオレンジ/ビニールレザー天井/窓枠額縁/ビニールレザー内壁/ポリエステルカーペット床/ウルフレーシングオリジナルホイール(前:24×9.0J、後ろ24×11.0J)/タイヤ(255/130R14、295/135R24)
(文・写真:諸星 陽一)