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■燃料計に付いているマークがポイント
最近のガソリンスタンドはセルフ式が一般的ですが、いざ給油機の隣にクルマを停めようとした時に「給油口は右と左のどっちだっけ?」と慌てた経験はありませんか?
普段乗っている自分の愛車であれば、あまりそんな事は起きないでしょう。ですが、たとえばレンタカーや知り合いのクルマを運転した際など、普段乗り慣れていないクルマに乗った場合には、給油口が左右どちらにあるのかすぐに判断できないときもあります。
そんな時に、すぐに給油口の位置が分かる方法をご紹介しましょう。
●給油口の位置はなぜ車種でバラバラ?
クルマの給油口が車体のどちら側についているかは車種によって様々です。国産乗用車であれば、大抵は車体後方の右か左についていますが、どちらかに統一はされていません。また、ワンボックスや軽バンなどの商用車では、フロントドアのすぐ後ろ辺りに配置されているものもあります。
給油口の位置が決められていれば、セルフ式スタンドで給油する際に慌てることはないでしょう。では、なぜバラバラなのでしょうか。
道路運送車両の保安基準では「燃料タンクの注入口およびガス抜口は、排気管の開口方向になく、かつ排気管の開口部から300mm以上離れていること」という規定があります。
つまり、排気管=マフラー出口がある位置と反対側で、300mm以上離す必要があるのです。たとえば、マフラー出口が車体左側から出ていれば、給油口は車体の右側に配置するということ。ガソリンは発火性が高い物質ですから、走行中に熱を持つマフラーの近くに給油口があると間違ってガソリンを拭きこぼした時に危険だということですね。
燃料タンク位置や排気管の取り回しなどは車種によって様々ですから、結果的に給油口の位置も右側/左側に統一することができないようです。
●給油機マークを見れば一目瞭然
セルフ式ガソリンスタンドに入った時点で給油口の位置が分からず、クルマから降りて確認する人もよく見かけます。また、給油口がない側を給油機に向けて停めてしまったため、ホースが届かずに反対側に停め直す、といったケースも見受けられます。
そんな面倒を避けて、瞬時に給油口の位置を見分ける方法があります。メーター内にある燃料計についている給油機のマークを見れば、一目瞭然です。
最近のクルマには、給油機の形をしたマークの右か左に矢印や三角形のアイコンが付いていますが、これは給油口が車体左右のどちらにあるかを示しているのです。たとえば三角形マーク▲の場合、左向き「<」なら給油口は左、右向き「>」なら右にあります。
給油口を開ける際は、室内のレバーを引いてリッド(給油口の蓋)を開けるタイプが一般的ですが、ほかにもキーロックと連動するタイプなどもあります。後者の場合は、ドアロックが解除されているときに給油口もロックが解除されるので、リッドを一度ぽん、と押すだけで開きます。
また、セルフ式ガソリンスタンドでは、油種の入れ間違いによるトラブルも多いようです。たとえば、軽自動車はガソリン車がほとんどですが、間違って軽油を入れてしまったりすると、クルマが故障する原因になります。
レギュラー/ハイオク車両に軽油を入れてしまった場合、あるいはは軽油車にハイオク/レギュラーを入れてしまった場合は、エンジンやイグニッションをONにせず、速やかにロードサービスなどに連絡しましょう。ハイオク車両にレギュラーを入れた場合は、最近のクルマならただちにエンジンが壊れることはほとんどありませんが、本来の性能が発揮されない恐れがあるうえ、故障の恐れがまったくないとはいえないため、やはり油種の指定はしっかりと守るべきでしょう。なお、レギュラー車両にハイオクを入れても、基本的には問題がないとされています。
指定燃料は、リッド裏やフューエルキャップに「無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)」「無鉛ガソリン(レギュラー)」などのステッカーが貼られていたり、取扱説明書に記載があるので、必ずチェックしておくようにしましょう。
ちなみに、一般的にセルフ式ガソリンスタンドでは、レギュラーは「赤」、ハイオクは「黄色」、軽油は「緑色」、灯油は「青色」にノズルなどが色分けされています。
普段乗っていないクルマを運転する時は、事前に給油口の位置や開け方、指定された油種などをちゃんと確認しておく方がなにかとスムーズで、安全ということですね。
※写真は全てイメージです
※2021年1月10日の記事を2023年7月12日に追記・再編集しました。
(文:平塚直樹)