FCAとGroupe PSAの統合を両者の株主総会が承認

■新車販売で世界4位規模のグループが誕生

すでに決定していたFCAとGroupe PSAの統合。2020年7月には、統合後の新社名(企業グループ名)を「ステランティス」(STELLANTIS)とするとアナウンスされていました。

2021年1月5日、FCAとGroupe PSAの両グループは、FCAとグループPSAが合併して新たにStellantis N.V.(以下ステランティス)を設立することを、両社の株主がほぼ満場一致(当該議案に対して99%以上の株主が賛成票を投じた)で承認した、と発表しました。

ジープ
FCAとGroupe PSAが統合する

FCAの株主総会では、合併関連議案としてステランティスの定款ならびに、すでに発表されている同社の取締役会構成案も決議したそうです。

これらの決議事項は合併完了と同時に発効し、速やかに実行に移されるとしています。同日の株主総会の承認と、ここひと月ほどの間に欧州委員会、欧州中央銀行を含む規制当局から受領した合併に対する許可を受け、FCAとグループPSAの両社は2021年1月16日にも合併を完了する見込みとしています。

両グループの対等な合併により、グローバルでの新車販売台数は年間約870万台(2019年の実績では世界4位)に達します。コロナ禍で台数は減りそうですが、世界トップ5に入るグループになるはずです。FCAはフィアット、マセラティ、アルファロメオなどのイタリア車だけでなく、「ジープ」ブランドを有していて、Groupe PSAにはない商品構成になっています。また、北米に足がかりを得るという利点もありそう。

グループPSA
EVに注力しているGroupe PSAは、日本にもEVをすでに投入している

一方のコンパクトカーでは、FCA(主にフィアット)とGroupe PSA(プジョー、シトロエン、DS、オペル、ボクスホール)と競合しそうではありますが、フィアットはAセグメント中心で、Groupe PSAはBセグメント、Cセグメントが中心になっています。

もちろん、「CASE」なかでも「電動化」という避けて通れない命題にも規模の拡大によってより柔軟に対応する狙いもありそう。エンドユーザーとしては、統合後もそれぞれのブランドを活かした個性的なクルマが生まれてくるのか気になるところです。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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