「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」がアジアクロスカントリーラリー2021へ向け発進!

■「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」は2021年へ向けテストをスタート!

●チーム監督:哀川翔、ドライバー:川畑真人、メンテナンス:中央自動車大学校で優勝を目指す!

2021へ向け発信
哀川翔さん率いるラリープロジェクト「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」

2020年11月6日(金)、富士ヶ嶺オフロード(山梨県)にて俳優の哀川翔さん率いるラリープロジェクト「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」の車両走行テストが行われました。

このマシンは今年2020年8月にタイ~マレーシアで開催予定だった「アジアクロスカントリーラリー」(以下 AXCR)への参戦するために開発を続けてきた車輌で、2021年のAXCRの開催時期や詳細が発表されていない事を考えると、新型コロナウイルスに翻弄され戦いの舞台を失ってしまったマシンのお披露目、といったニュアンスも併せ持ったテストだったと言えるでしょう。

プラドとハイエース
2020年のアジアクロスカントリーラリーに出場予定だった「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」のランドクルーザープラドとサポートカーのハイエース

披露されたマシンは、ランドクルーザープラドのAXCR用ラリーカーと現地でサポートを行うために帯同するハイエースのサポートカーの2台。

ランドクルーザーは2019年タイ~ミャンマーの約2000kmを戦い抜いたマシンを一度完全に分解した後、パーツ一つ一つを洗浄、チェック、そして再び戦えるようメンテナンスを行い丁寧に組み上げられたものです。

ラリーカーとしては珍しいグレーのボディにブラックの文字が組み合わされたシックな外装は、この日のために急遽用意されたものだそうです。

ランドクルーザープラド
ランドクルーザープラド
サポートカーのハイエース
サポートカーのハイエース

一方、ハイエースもガソリンエンジンの4WDモデル。車高の3インチアップ、スタビライザーの装着などラリーカー同様、東南アジアの悪路を走り続けるために足まわりをチューンしたものです。フレックスが展開するリノベーションサービス「Renoca(リノカ)」にラインナップされている縦目4灯のヘッドライトのフロントフェイスがとても印象的です。

ちなみにこれら2台は自動車整備の専門学校、中央自動車大学校(千葉県)の4年生が1年かけて仕上げたものです。

中央自動車大学校の学生さん
テスト中の調整もマシンを製作した中央自動車大学校の学生が担当します
福江菜々華さんと寺地みのりさん
福江菜々華さん(左)、寺地みのりさん(右)もテストに華を添えてくれました。お二人ともに同乗走行を体験しましたが、見るより乗った方が楽しいと余裕のアトラクション気分!

チーム監督を務める哀川翔さんの見守る中、2019年からこのチームのドライバーを務めているD1GPでもおなじみの川畑真人選手がオフロードコースでテスト走行を行いましたが、完成後初めての走行にも関わらずマシンの仕上がりは上々で、途中でショックの減衰を変更した程度の作業だけでテストは終了しました。

川畑選手によると、東南アジア特有のマッド(泥)ステージに特化したM/Tタイヤの性能と、オンロード性能の両立を達成しているというトーヨータイヤのOPEN COUNTRY R/Tの感触もよく、オフロードの世界では名高いKINGのショックアブソーバーの性能も相まってクルマの動きはとても満足のいくものだったそうです。

トーヨータイヤのOPEN COUNTRY R/T
トーヨータイヤのOPEN COUNTRY R/T。ショックアブソーバーはKING製をチョイス
2020仕様のシェイクダウン
2020仕様のシェイクダウンとなったが足廻りの仕上がりはすでにいいようです

今回新たに採用したプロジェクト・ミューのブレーキシステムも、重量級マシンでありながら制動力も満足な仕上がり。

実はちょっぴり不安だったというブレーキのタッチやコントロール性もとてもレベルが高いものであることが確認でき、安心できたことは大きな収穫だったと語ってくれました。

プロジェクト・ミューのブレーキシステム
新たに採用したプロジェクト・ミューのブレーキシステム

なお、ブレーキシステムの他、エンジンオイル、ATF、ブレーキフルード、デフオイルが2020年からワコーズのものが採用されています。このような厳しいレーシングフィールドで鍛え抜かれたブランドが相次いでクロスカントリーラリーに参入することで、日本のオフロードスポーツのさらなる盛り上がりを期待したいところです。

川畑真人選手
川畑真人選手

天候にも恵まれた中、順調にテスト&お披露目をこなした川畑選手は「(初参戦の2019年は)未知の世界すぎて、行くとこ行くとこにドラマがあり、大冒険って感じでしたが、今年2020年はコースのイメージは十分にできているし、昨年と比べると経験値があります。またクルマも進化しているので2021年こそはクラス優勝を勝ち取りたいですね」と、すでに来年の夏に向けラリードライバーとしての前向きな姿勢を見せてくれました。

哀川翔監督
哀川翔監督

監督の哀川翔さんは昨年、絶対完走という強いプレッシャーを感じながら走ったという川畑選手に「もちろん1位は獲って欲しいけど、クロスカントリーラリーを楽しんで欲しいという気持ちもある」と気遣いながらも「両方達成して欲しい」と結局さらに欲張りな希望をリクエスト(笑)。

来年春還暦を迎える監督は「ラリーを始めた頃、60歳まではラリーを続けようと思ったけど、今はもうちょっと出来るかなと思っているのでまだまだ頑張っていきます」と宣言。

「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」でのチャレンジも、そして哀川翔さん自身がドライバーとして挑戦し続けている国内ラリーもまだまだ上を目指し、今後もアクセルを緩めることはなさそうです。

(文・写真:高橋 学)