ガソリンエンジン車と同等の使い勝手を備えたユーティリティの高さが魅力【ボルボXC40 B5 AWD R-DESIGN試乗記】

■48Vマイルドハイブリッドの魅力はスムーズな走りだけではない

48Vマイルドハイブリッド、プラグインハイブリッド仕様と、純ガソリンエンジン車がなくなり、電動化が図られたボルボXC40。

全長4425×全幅1875×全高1660mmというサイズは、全幅こそワイドですが比較的都市回ししやすく、広い後席や荷室スペースが魅力です。日本市場で最も売れているモデルがXC40というのも十分に頷けます。

ボルボXC40
ボルボXC40の48Vプラグインハイブリッド仕様

ボルボXC40に加わった48Vマイルドハイブリッドの「XC40 B5 AWD(R-DESIGN)」は、ガソリンエンジン車と同等の使い勝手を備えています。

最上級のプラグインハイブリッドの「RECHARGE PLUG-IN HYBRID」は、よりEVに近い走りを実現している一方で、ラゲッジ下に補機バッテリーが搭載されているため、トノボード(トノカバー)の床下収納ができなくなっています。

ボルボXC40
写真は「XC40 B5 AWD R-DESIGN」

48Vマイルドハイブリッドの「XC40 B5 AWD(R-DESIGN)」は、純ガソリンエンジン車と同じようにトノボード(トノカバー)を外して反転させることで、取り外したトノボード置き場に困らずにすみます。XC40の美点は、日本車顔負けの利便性の高さだけに、好ポイントといえます。

ボルボXC40
48Vマイルドハイブリッド仕様は、純ガソリンエンジン車と同じようにトノボードの床下収納ができる

XC40のライバルは、輸入車ではBMW X1、X2、アウディQ3、Q3スポーツバック、メルセデス・ベンツGLA、GLBなど新型が揃う激戦区です。国産車では、価格面で近くなるトヨタRAV4など、ひとクラス大きなサイズになるそう。

ボルボXC40
ボルボXC40にも採用されている180km/h速度制限になる「ケアキー」

装備では、右折時対向車検知機能、対向車線衝突回避支援機能 、道路逸脱回避支援機能 、静止時ブレーキ維持機能付などを含めた「インテリセーフ」と呼ぶ先進安全装備を備えていて、先進安全装備を追加する必要がないのが魅力です。

さらに、最高速を180km/hに制限するケアキーを採用することで、若いドライバーや高齢ドライバーなどを含めた安全性へのさらなる配慮が施されています。この速度制限が可能なケアキーは、「スピードの出し過ぎ=重大事故に直結」するという傾向から採用されたそう。

ボルボXC40
ボルボXC40の48Vマイルドハイブリッド仕様のインパネ

XC40の価格帯は、409万〜649万円。ライバルのBMW X1/X2が440万〜701万円、アウディQ3/Q3スポーツバックは、438万〜563万円、メルセデス・ベンツGLAは502万円、メルセデス・ベンツGLBは512万〜696万円。

なお、BMW X1はアダプティブクルーズコントロールがオプション。X2も最上級グレードをのぞくアダプティブクルーズコントロールや衝突被害軽減ブレーキなどを含む「ドライビング・アシスト・プラス」がオプション。アウディQ3は、アダプティブクルーズコントロールを含む「アシスタンスパッケージ」がオプション。メルセデス・ベンツGLA、GLBは「レーダーセーフティパッケージ」が標準化されていて、価格に相応しい内容になっています。

先進安全装備が完備されているXC40のコストパフォーマンスの高さも際立っています。

(文/塚田勝弘 写真/井上 誠)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる