「SKYACTIV」の誕生【マツダ100年史・第28回・第8章 その1】

【第28回・2020年7月28日公開】

マツダは、2001(平成13)年のブランドメッセージ「Zoom-Zoom」に続き、2007(平成19)年にはブランド価値をさらに高める「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」を策定しました。これは、当時注目されていたハイブリッドなどの電動化技術に対抗して、独自で世界一のクルマを目指すという目標でした。
世界一を目指した全社的な活動の中で、新たな技術戦略「SKYACTIV(スカイアクティブ)」が誕生しました。最大の特長は、エンジン、トランスミッション、ボディ、シャシーそれぞれの基本技術をすべてゼロから見直し、車両全体を包括的に刷新することです。

第8章 「SKYACTIV(スカイアクティブ)」による挑戦と飛躍

その1.「SKYACTIV」の誕生

●「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」

マツダは2001(平成13)年の東京モーターショーで、新しいブランドメッセージ「Zoom-Zoom」を発表し、2000年以降「アテンザ」など新しいクルマづくりをベースにしたモデルを次々と発売しました。
ところでその少し前の1997(平成9)年、トヨタが世界初の量産ハイブリッド車「プリウス」を発売し、その後ホンダが「インサイト」で追い、日産も「ティーノハイブリッド」を発進させました。
初代プリウス以降、トヨタはハイブリッドシステムの改良を続けながら車種展開を図り、ハイブリッド車のシェアを着々と伸ばし続けていきます。
地球規模で地球温暖化(CO2)問題や省エネ、脱化石燃料などが強く求められるようになったのはこの頃からで、多くの自動車メーカーはハイブリッド車や電気自動車などの開発に注力するようになりました。
このような状況下、マツダは「Zoom-Zoom」を進化させた長期ビジョンとして、2007(平成19)年に「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」を策定します。
地球環境や交通環境のサステイナブルな未来に向けた技術開発に取り組み、ブランド価値をさらに高めるという宣言です。

初代プリウス(1997(平成9)年12月発表。)。
「21世紀に間にあいました。」の広告フレーズが秀逸だった初代プリウス(1997(平成9)年12月発表。)。

●「サステイナブル“Zoom-Zoom”」から「SKYACTIV」技術へ

「サステイナブル“Zoom-Zoom”宣言」は、「高効率でクリーンな次世代パワートレインの開発」「斬新なマツダらしいデザイン」「安全性能に優れた車両技術」という3つの目標を核にしています。
先行するハイブリッドや電気自動車に対抗するため、マツダは「5年で世界一のクルマを造る」という、かつてない高い技術目標を掲げました。
そのためにエンジン、トランスミッション、ボディ、シャシーの各部門が、それぞれの分野で世界一を目指して、開発をスタートさせました。
この全社一丸の大きな動きが、「SKYACTIV(スカイアクティブ)技術」誕生の源流となったのでした。

●「SKYACTIV」の開発コンセプトとは

2010年10月に、新世代技術として発表された「SKYACTIV」最大の特長は、エンジンだけ、車体といった個々単体の改良なのでなく、クルマの基本となる技術をすべてゼロから見直し、車両全体を包括的に刷新する点です。世界一の技術革新によって、世界一のクルマを造ることが目標です。

「SKYACTIV」は、次の7つの要素技術から成ります。

1.世界一の高圧縮比14.0を実現した高効率直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G」

2.世界一の低圧縮比14.0を実現したクリーンディーセル「SKYACTIV-D」

3.スムーズな変速と高い伝達効率を達成した自動変速機「SKYACTIV-DRIVE」

4.軽快なシフトフィールと大幅な軽量、小型化を実現した「SKYACTIV-MT」

5.高い剛性と衝突安全性を確保した軽量車体「SKYACTIV-BODY」    

6.正確なハンドリングと快適な乗り心地を両立した軽量シャシー「SKYACTIV-CHASSIS」

7.エンジン、トランスミッション、ボディ、シャシーなどの個々のユニットを統合制御することで、「人馬一体」の走行性能を高める「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS」

そして2019年末には、画期的な燃焼制御SPCCI(火花点火制御圧縮着火)を採用した「SKYACTIV-X」エンジンを開発。ガソリンエンジンの圧縮着火を世界で初めて実用化し、大きな話題となりました。

スカイアクティブ技術イメージ。
スカイアクティブ技術イメージ。

(Mr.ソラン)

第29回につづく。


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