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●なかなか冷えない車内。こもった熱を解消するには?
真夏の車内でエアコンを使っていても、なかなか温度が下がらずに困った経験はないでしょうか。
直射日光によりハンドルやシートが熱をもってしまい、触れないほどに熱くなっているということも多いでしょう。今回は真夏の車内で、暑さ対策の効果が期待ができるカーアイテムとその使い方を紹介していきます。
・リモコンエンジンスターターで車内の温度を下げておく
寒い冬にも登場する優れもののリモコンエンジンスターターですが、夏にも大活躍します。
炎天下に駐車したクルマの中は、気温50度以上になることがしばしばです。乗車する前に少しでも車内温度を下げるために遠隔操作でエンジンをかけ、エアコンを作動させることのできるリモコンエンジンスターターを利用すれば、乗り込む前に車内温度を下げることができます。
最近のリモコンエンジンスターターには、スマホと連動させて操作できるものやリモコン単体で車内温度を確認できるものなど、多機能化が進んでおり、種類も豊富にあるので、便利な機能を有効活用していきましょう。
・ダッシュボードの温度を下げることが、車内温度を効率的に下げることにつながる
直射日光にさらされるダッシュボードやハンドル、シートは、驚くほど高温になります。特にダッシュボードは80度を超えるほど熱くなることがあり、輻射熱で車内の温度を上げてしまう原因にもなります。
車内をエアコンで冷やそうとしてもダッシュボードの持っている熱が放出され、エアコンが効きにくい状態にもなってしまうのです。
その対策として有効なのがサンシェードです。サンシェードをフロントガラスに取り付けて日差しを遮断すれば、ダッシュボードの温度上昇を防ぐことができます。サンシェードは車内の気温を下げる効果はあまり期待できませんが、ダッシュボードの表面温度を20度近く下げることができるのです。
高温になったダッシュボードは、熱を吐き出し続けるストーブと同じようなものです。内装に対して蓄熱させないことが、乗車後の冷房効率を飛躍的に上げる方法です。
ダッシュボードと同様にステアリングも直射日光を浴び、大きな熱を持ちます。熱くなったステアリングは触るのにも一苦労するほど温度が高まっています。
すぐに出発できないばかりか、こちらも熱源となってしまい、手が振れる部分であることから、車内の温度だけでなく、体温も高めてしまいます。熱いステアリングを握ることによる熱中症のリスクも高まるのです。
そこでおすすめなのがステアリングカバーです。サンシェードと同じような素材でできており、ステアリングが熱を持つのを防いでくれます。
・体の大部分が接するシートには要注意
ダッシュボードと同様に、シートも蓄熱する車内アイテムの一つです。熱を発し続けるシートに座っていると体全体が熱せられた状態になり、脱水症状が早く出たり、熱中症になるリスクが非常に高まります。
特に濃い色のシートやレザーシートの場合は高温になりやすく、直接肌と接触すると火傷を負う可能性もでてきます。最も温度が上がるのは黒のレザーシートで、蓄熱も大きいため、一層の注意が必要です。
先に挙げたように、駐車中はサンシェードで直射日光を避けたり、シート全体を白などの明るい色の布で覆って直接シートに日光が当たらないようにするといった方法を採るだけでもかなりの効果があります。
着脱しやすい簡易的なシートカバーを用意しておき、乗車とともに外すといった方法が取れるといいでしょう。
また、シートにベンチレーション機能(シート表面からの送風機能)が装着されていたらしっかり活用してシートの冷却を進めていきましょう。
ベンチレーション機能が無い場合には、カー用品店で販売している「夏用シートクッション」がおすすめです。通気性のいい素材を使ったものや冷水をいれるもの、風が出るエアークッションなど様々な種類があり、熱いシートからの熱を遮断しながら、体を適温にしてくれます。
・日差しを避けて、車内全体に効率よく冷気を循環させる
長距離移動で長い時間日差しをあびていると知らぬ間に体温は上昇し、脱水症状や熱中症を招く危険性が高まります。特にエアコンの風が届きにくいリアシートでは危険性が高まる傾向にあります。
そこでリアドアウィンドウに「メッシュカーテン」を取り付け、日差しを幾分か遮断するのが効果的です。ウィンドウに貼り付けるタイプの日よけでも効果はあります。
ただしフロントドアウィンドウへのカーテンの取り付けや、吸盤で貼り付けるタイプの日よけの設置は保安基準違反となるので行ってはいけません。リアシートの暑さ対策として利用しましょう。
エアコンの吹き出し口が後部座席にない場合は後ろまで冷気がとどきにくく、車内の前と後ろでは大きな温度差が生じています。このような場合はエアコンのルーバーを上向きにして後部座席に届きやすくするとともに、車載扇風機を取り付けることで後部座席にも冷気が届きやすくなり、冷房効率も上がります。
これは家の中で使うサーキュレーターと同じような役割です。車載扇風機には角度調整、風量調整、首振り機能などがあり、クルマの大きさに合ったもの選ぶといいでしょう。
まとめ
今回は夏の厳しい日差しから身を守り、車内温度の調整に役立つグッズを紹介しました。
窓を全開にして換気をしても車内の温度が下がらない原因は「蓄熱」にあります。内装の蓄熱を減らして冷えやすい車内環境を作ることが、快適な車内作りの第一歩となるでしょう。
(文:佐々木 亘)