清水和夫も想定外! トヨタRAV4 PHVは重量級だからこそ AMG並みのパフォーマンスを得た【StartYourEnginesX】

■重たいバッテリーをクラッシュから守るためのボディ作りがスゴイ!

●重量級だからこそ、電動パワステもサスペンションも進化した

2019年4月に新型が登場したトヨタRAV4に、いよいよ投入されるプラグインハイブリッド(PHV)モデル。そのプロトタイプに国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが速攻試乗! 今回も動画で生のインプレッションをお届けします。

RAV4 PHV試乗
清水和夫さんがウワサのRAV4 PHVプロトタイプに速攻試乗!

テストステージは森の中に位置する千葉県・袖ケ浦フォレストレースウェイ。あの清水和夫さんに「これが大本命!」と言わせたRAV4 PHV、では早速そのパフォーマンスを見ていきましょう!

●PHVシステムの賢い使い方とは?

清水和夫さん、いよいよRAV4 PHVが登場しますね!

試乗する清水和夫さん
「うわぁ~速い!」と、あの清水和夫さんが思わず叫んでしまうほど、RAV4 PHVはパワフルです。

「RAV4 PHVの凄いところは、エンジンと前後のモーターを全部足すと最高で約300psくらい。0-100km/hが5秒台!という凄まじく速いクルマに変身できること。

PHVはバッテリーの電気が無くなったらただ重たい箱を運ぶだけ…と言われますから、バッテリーがカラにならないように、バッテリーが減ったらチャージをしていく、というモードがあります。

EVモードを選ぶと全くエンジンがかからず、モーターだけで走れる。EVなのでアクセルレスポンスはメチャクチャいいです。HV(ハイブリッド)モードにすると、モーターとエンジンのコンビネーションで走れる。オートモードはチャージが必要であれば自動でチャージしてくれる。

ということで、モードによってバッテリーをどう使うか?というところが、ニーズに応じて可変できます」(清水)。

モニター
センターのモニターで走行モードがチェックできます。
メーター部
走行モードはインパネの中央部にも表示されます。

そのモードはどう使い分けるのがいいのでしょうか?

「街中で使うときはやっぱりEVで走ったほうがテールパイプエミッション(Tailpipe Emissions/排気管から放出される有害排気物質)が無いですからね。自宅の駐車場で200Vで充電すれば、ガソリンを入れないでも100kmくらいは走れます。まぁ実際にはエアコンなどを使えば70kmくらいまでは低下するかもだけど。でも日常、買い物に行くくらいの距離なら電気自動車として使うことが出来るんですね。

モード切替スイッチ
モードはこのスイッチで切り替えます。

また、バッテリーがフルに入っているときは、HVモードにすればエンジンと前後のモーター3つ、全部足すと約300ps!という強烈ハイパフォーマンスカーに変身できます。PHVのRAV4がメルセデス・ベンツAMGのような状態になるんです」(清水)。

RAV4 PHVでサーキットテスト
静かでトルクフルで速い! すべてが想定外の実力です。

そんなにパフォーマンスを発揮しちゃうんですか!

「思わず『ウワァ~速いな!』って言っちゃう(笑)。でも、こういう走りを続けると当然、バッテリーは減ってきますから、エンジンのエネルギーをモーターだけではなく一部を充電側にも回し、タイヤとバッテリーにエネルギーがディストリビューション(配布/分配)されます」(清水)。

エンジン
エンジンは2.5Lの高速燃焼型。モーターもプラスしてパワーは約300ps!

●バッテリーを積む重量級だからこそ進化したボディの作りが、走行性能もアップさせた!

普通のRAV4と比べてみると…?

「バッテリーを積んでいることで普通のRAV4に比べて220kgほど重く、しかもトルクも大きいのでE-Four(4輪駆動)のため、さらに重量増。なので走りの面ではカッタルイんじゃないか?と思ったんです。

でも、その重さゆえにRAV4 PHVはボディをしっかり作ってあるんです。

ボディ剛性…というよりも、ぶつかったときの衝突安全性能という意味で、床下のバッテリーパックを衝撃から守るための強度が相当高まっています。クラッシュ時には重たいバッテリーがドーンと前側に押そうとするので、サイドフレームは相当強度を上げておかないといけませんよね」(清水)。

RAV4 PHVのカットモデル
ぶった切られたRAV4 PHVのカットモデル。詳しくは次回公開の開発者インタビューで!
カットモデル
カットモデルを斜め後ろから見るとこんな感じです。

ボディの他にも違いはありますか?

「PHVは重量が重いので当然、電動パワーステアリングも今までとは違った新しいタイプのものが使われていますね。重量が高まったことでダンパーやサスペンションも見直されました。

ということで、クルマとして凄く進化したというのが、このRAV4 PHVの実態ですね。

新型ハリアー記事でもインプレッションしましたが、このRAV4 PHVで開発された電動パワステやサスペンションが、新型ハリアーのほうにも技術として投入されています。GA-Kプラットフォーム・ファミリーは、お互いにいい意味で影響し合いながら全体な底上げが行われている、そういうイメージですね」(清水)。

ラゲッジ部
さすがSUV。ラゲッジ部は相当広いです。

●いや~速いし静かだしトルクフル!

実際に走ってみてのモードの違いはどう感じましたか?

「約300psで0-100km/h=5秒台のRAV4 PHV、これは本当に百聞は一見にしかず…ではないけど想定外の走りっぷり! HVモードは静かでトルクフル。スロットルのレスポンスは敏感過ぎるくらい、ちょっと踏んだだけでグッと出ますね。

エンジンは2.5Lの高速燃焼、RAV4 HVに使われているエンジンと同じ。それにバッテリーが大きくなったので、リヤのモーターも通常のRAV4 E-Fourのリヤモーターより出力が上がっているのでたくさん電気を使えます。

HVモードでアクセル全開にすると、エンジンがかかっていても普通にパーシャルで加速すればそんなにエンジンは吹け上がらずに、非常に静かにトルキーに走れます」(清水)。

「これぞ大本命!」と言わせたRAV4 PHVはSUV界にも新風を吹き込みそうです。そんな興奮試乗インプレッションのすべては動画でチェックしてください!

そして! 清水和夫さんが開発陣に鋭くズバッとインタビュー! コチラは公開まで少々お待ちを!

(試乗:清水和夫/動画:StartYourEnginesX)/文:永光 やすの

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【関連リンク】

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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