初代「フェアレディZ」を彷彿させる7代目「Z」が登場!?

■日本を代表する70年代のスポーツカー・初代フェアレディZが再び!?

日産自動車が5月29日、2019年4月~2020年3月期の決算発表にあわせて「NISSAN NEXT A to Z」と題した動画を公開しました。

次期日産フェアレディZ(Z35型)

動画には同社が今後投入する12種類の新型車が登場しますが、最後に「Z」の文字と共に現れる車両は、低い車高や「ロングノーズ・ショートデッキ」を特徴とするスポーツカー然とした佇まいをしています。

Cピラーに「Z」マークのオーナメントが設けられていることから、同社が開発中の次期「フェアレディZ」であることは明らかで、そのプロポーションは初代「フェアレディZ」(S30型)に酷似しています。

丸型ヘッドランプ内に設けられた上下一対のDRL(デイタイムランニングランプ)も同車の個性を引き立たせています。

次期日産フェアレディZ(Z35型)

■初代モデルは空前の大ヒットを記録

ちなみに、初代フェアレディZ(S30型)は北米日産からの提案を元に、米国市場のニーズに合致したスポーツカーを目指して設計・開発され、軽量モノコックボディや4輪独立懸架サスペンションを採用していました。

初代日産フェアレディZ

1969年に発売されるや、日本のみならず北米市場などを中心に世界的に大ヒットを記録。

1978年まで9年間にわたって生産され、世界販売台数55万台(国内販売8万台)という、当時のスポーツカーとしては画期的な販売実績を樹立するなど、「DATSUN」の名を世界に知らしめ、日産の海外進出の活路を拓いた記念碑的な車両でもあります。

日産フェアレディ Z432

中でも、スカイライン2000GT-R用の2.0L「S20型」DOHCエンジン(160ps/18.0kgm)を搭載した「Z432」(4バルブ・3キャブレター・2カムシャフトを意味)は、ソレックスキャブレター3基装備のハイパフォーマンスモデルで、クルマ好きの羨望の眼差しを集めたことで知られており、カタログ上の最高速度は210km/hを誇っていました。

そうした背景から、次期7代目「Z」は初代モデルを彷彿させる現代版高性能スポーツカーとして開発されている模様で、各種情報によると、200ps以上を発生する2.0L直4ターボエンジンや400ps以上を発生する3.0L V6ターボエンジン搭載モデルに加え、 3.5L V6エンジン+モーターによるハイブリッドモデルの存在が噂されています。

■かつての「日産らしさ」を取り戻す戦略を展開

現在、経営面で厳しい状況にある同社ですが、現状からの脱却を本格的に目指しており、かつての「日産らしさ」を取り戻すべく、これまでの拡大路線で肥大化した生産能力を年間540万台規模に是正(20%減)すると共に、長くなっているモデルサイクルの最適化に向けて商品ラインナップを見直す模様です。

2023年までに現状の車種数を20%削減、競争力を発揮できるモデルにリソースを集中させ、積極的な新車投入を図る計画のようです。

今回公開された動画に登場する12車種が新たな「リバイバルプラン」を担う訳ですが、次期「フェアレディZ」もその使命の一端を背負っており、「スープラ」などの競合ライバル車に対し、かなりの競争力を持つモデルに仕上げてくるものと予想されます。

次期7代目Zは現行モデル(Z34型)の発売から13年後となる2021年以降の登場が予想されており、昨今、往年のスポーツカーが息を吹き返す中、次期「フェアレディZ」(Z35型)の登場についても、スポーツカーファンから大きな注目を集めることは間違いなさそうです。

Avanti Yasunori・画像:NISSAN)

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【関連リンク】

日産フェアレデイZ https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/z.html

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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