目次
■高速道路でのガス欠は道路交通法違反で反則金9,000円
●燃料警告灯の点灯タイミングに基準はない、通常はあと50km程度は走行できるが保証はない
走行中にガス(燃)欠にならないためには、燃料警告灯が点灯したらすぐに給油すればよいのですが、時には給油のチャンスがなく、そのままヒヤヒヤしながら運転することがあります。
車載燃料残量計の精度、燃料警告灯の点灯タイミングについて、解説していきます。
●燃料計と燃料警告灯の計測原理
インパネ内の燃料計は、燃料タンク内の燃料残量を計測してバー(棒グラフ)などアナログ表示し、警告灯はタンクの燃料量が少なったことを点灯して知らせます。
最近は、残量だけでなく随時航続距離を表示してくれるクルマも増えています。
燃料量の計測は、燃料タンクに組み込まれた燃料ポンプと一体化されたフロートの上下移動量で行います。
フロートは燃料液面に浮かぶので、タンクに燃料が多い場合はフロートが上昇、少なくなれば下降します。フロートを支えるフロートアームの動きを可変抵抗器(ポテンショメーター)で電気信号に変換して燃料量を検出します。
タンク内の液面高さを残量に置き換える原理なので、計量精度は高くありません。
●燃料タンク容量の設定の考え方
燃料タンク容量は、クルマの大きさによって制約を受けますが、燃料タンク容量が大きいと1回の給油による航続距離が長くなるのでアピールポイントのひとつになります。一方で、タンク容量を大きくすると燃料分車両重量が増え、燃費が悪化するので燃費のためには燃料タンクは小さい方が有利です。
そのため航続距離と燃費のバランスを考慮して、一般的にはタンク容量は軽自動車で30~35L、コンパクトカーで35~45L、2Lクラスだと45~60L程度に設定されています。
満タン燃料時の航続距離500km(燃費×タンク容量)が、タンク容量設定の目安となっています。
●燃料警告灯の点灯タイミングの考え方
燃料警告灯の点灯タイミングについても、基準や決まったルールはなく車種によってさまざまです。いろいろなクルマを調べると、点灯した時の燃料残量は5~10L程度が一般的です。
これは、点灯してから最低でも50km走行できる燃料残量を目安にしていると言われています。高速道路で燃料スタンドがおおよそ50kmごとに設置されていることを根拠にしているようです。
●警告灯が点灯してからどれくらい走行できるか
警告灯が点灯した時の燃料残量が分かれば、あとどれくらい走行できるかが分かります。しかし、実際は警告灯が点灯した時の燃料残量を知ることは、難しいのが実状です。
それは、上述のようにフロート式計測がそもそも精度の高い計測法ではないことに加えて、燃料液面が車両の挙動や傾きによって変動するからです。
以上のように、燃料残量が正確に把握できないことと、燃費が乗員数や交通事情、走行条件などによって大きく変動することから、あとどれくらい走行できるかを正確に予測できません。
保証はありませんが、警告灯が点灯してからも通常走行を続けるなら目安として50km程度の航続距離が確保できると考えるのが、妥当と思われます。
●ガス欠になったら
警告灯が点灯しても気付かず、あるいは何らかの事情で給油せずに走行を続けると、最後にはガス欠となり、エンストして走行できなくなります。
しかし、エンジンは突然停止するわけではありません。停止する前に、燃料不足によって混合気が薄い(リーン)状態になり、エンジンの出力低下によって思うように車速が維持できない(徐々に減速する)状態が数10秒続きます。
その間に安全な場所に退避して、ロードサービスなどに補給を依頼してください。
高速道路でのガス欠は、道路交通法違反であり9000円の反則金が科せられます。高速走行中のエンジン不調は非常に危険なので、特に注意が必要です。
燃料警告灯が点灯したら、あとどれだけ走行できるかが分からないので、できるだけ早めに給油することが大切です。
何らかの事情で給油できない場合でも、近隣50km圏内にガソリンスタンドがあるかどうかは確認しておくべきです。
(Mr.ソラン)