君はジープ 「デリバリワゴン」を知っているか!?【昭和平成のクラシックカーフェスティバル・三菱/二輪】

■ランタボ、エクリプス、スポーツカブ…懐かしい名前がいっぱい!

●昭和平成のクラシックカーフェスティバルinキャッセ羽生

このイベント主催者の配慮は行き届いたものがあり、参加する車種のメーカーに偏りがないよう調整していることも特徴です。

例えば通常の旧車イベントなら1台2台しか見受けられなくなっている三菱車も今回は数多く参加していました。

まず三菱といえばジープです。ジープは終戦まもない1953年からノックダウン生産が始まり、1956年には完全国産化を果たしています。最終年式が2001年ですので展示されているだけだと年式を占うことは非常に難しい車種でもあります。

こちらは全塗装されたのでしょう、ブラウンメタリックカラーが鮮やかなソフトトップです。ボンネットなどにラジコンを並べて展示されていました。

三菱ジープ。
三菱ジープ。

こちらは非常に珍しいデリバリワゴンです。乗用ですので3列シートになっているのが特徴でした。

三菱ジープ・デリバリワゴン。
三菱ジープ・デリバリワゴン。

一転して軽自動車のミニカエコノです。純正のように見えますが、オーナーこだわりのカスタムが施されています。まずフロントフェンダーを左右に幅広くなるよう広げて、その内側に別車種から流用したバンパーを収めています。スチールをワイド加工したホイールに太いタイヤを履かせてローダウンしているのです。

ミニカエコノ。
ミニカエコノ。

またフロントグリルも別のクルマから転用していますが、展示中に何度も着せ替えショーを行なっていました。

ミニカエコノの室内。
ミニカエコノの室内。

エコノは商用車ですのでリヤシートを倒すとフラットな荷室になることも特徴でした。

ミニカエコノ本来のグリルを装着。
ミニカエコノ本来のグリルを装着。

続いては1990年にフルモデルチェンジして4代目になったミニキャブです。こちらはバンの最上級グレードだったエステートで、珍しいハイルーフ仕様です。

三菱ミニキャブ・エステート。
三菱ミニキャブ・エステート。

1981年、ランサーEXに追加された待望のターボモデル、ランサーEXターボが展示されていました。いわゆる「ランタボ」と呼ばれたモデルで、ラリーなどのオフロード競技へ盛んに起用されました。

三菱ランサーEX1800ターボ。
三菱ランサーEX1800ターボ。

会場で異彩を放っていた1台がこちら。1987年にフルモデルチェンジした6代目の高性能グレード、VR-4です。外装にオーバーフェンダーやリヤウイングを装着していますが、エンジンはフルチューニングされ室内にロールケージまで組まれています。ボンネット裏は軽量化のため穴空け加工され、いかにも走りそうな雰囲気です。

三菱ギャランVR-4。
三菱ギャランVR-4。

アメリカで生産され日本にも現地仕様の左ハンドルで販売された3代目エクリプスです。クーペもありましたが、日本ではこのスパイダーだけが扱われました。

三菱エクリプス・スパイダー。
三菱エクリプス・スパイダー。

数は少ないものの、オートバイの参加も認められています。まず紹介したいのは映画『マッドマックス』で警察隊MFPの車両として登場するカワサキZ1000のレプリカです。サイドカバーにZ1100とあるので、おそらくゼファー1100をベースにしたのでしょう。

映画『マッドマックス』劇中車MFPカワサキZ1000レプリカ。
映画『マッドマックス』劇中車MFPカワサキZ1000レプリカ。

旧車イベントでは常連ともいえるスーパーカブの初期モデル、C100です。こちらはセルスターターを装備したC102です。

ホンダ・スーパーカブC102。
ホンダ・スーパーカブC102。

スーパーカブのエンジンをチューニングしつつ、専用のプレスフレームと組み合わせて1960年に発売されたスポーツカブ。こちらは長年探し続けたオーナーが手に入れ、自らレストアされた1台です。

ホンダ・スポーツカブ。
ホンダ・スポーツカブ。

スポーツカブが生まれた時代は原付スポーツバイクの人気が絶頂期にありました。そこで各社ライバル機を発売しますが、すでにオートバイを生産していないトーハツのランペットCAが参加していました。スポーツカブのオーナーに誘われて連れ立って来られたそうです。

トーハツ・ランペットCA。
トーハツ・ランペットCA。

●昭和平成のクラシックカーフェスティバルinキャッセ羽生
・開催日:2020年3月7日
・開催場所:キャッセ羽生(埼玉県)
・主催:日本旧軽車会、オール日本ライフクラシックカー倶楽部

(文と写真:増田満)

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この記事の著者

増田満 近影

増田満

複数の自動車雑誌編集部を転々とした末、ノスタルジックヒーロー編集部で落ち着き旧車の世界にどっぷり浸かる。青春時代を過ごした1980年代への郷愁から80年代車専門誌も立ち上げ、ノスヒロは編集長まで務めたものの会社に馴染めず独立。
国産旧型車や古いバイクなどの情報を、雑誌やインターネットを通じて発信している。仕事だけでなく趣味でも古い車とバイクに触れる毎日で、車庫に籠り部品を磨いたり組み直していることに至福を感じている。
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