■2020年型スバルBRZ GT300は進化したコーナリング性能が武器
前回お伝えしたカラーリング変更に続き、今回はBRZ GT300の改良ポイントをご紹介! シェイクダウンテストで渋谷 真総監督から今シーズンのBRZ GT300の改良ポイントを教えていただきました。
2020シーズンのSUPER GTを戦うBRZのテーマは、信頼性の向上とパワートレーンをはじめとした各部の改良によるさらなるコーナリング性能向上により『得意分野をさらに伸ばす』進化となっています。
2019シーズンはエンジントラブルでのリタイヤなどもあり、BRZのもつパフォーマンスを発揮することなく終えてしまったレースもありました。2020シーズンではそうしたトラブルをなくすため、特にエンジン内部、ピストンやヘッド周りの強化がおこなわれているそうです。
注目は何と言ってもパワートレーンの低重心化。これまでより5mm下げられたことにより飛躍的に運動性能が向上したそうですが、それを実現するためには、バルクヘッドを完全に作り直すなど並々ならぬ苦労があったとのことです。
また、FRの特性を活かすために重量配分もわずかながら後輪側へ移しています。これには、オルタネーター装着位置を従来のプロペラシャフトの前からトランスミッションのアウトプット位置へ移動したことが貢献しています。
前回ご紹介したボディ全体の塗装の軽量化に加え、ホース類のレイアウト変更などでも軽量化を実現しました。ブレーキローターは径を同じとしながらも、薄板化により片側だけで2.3kgの軽量化を果たしているそうです。
空力面では目に見える車体の部分では大きく変更がされていないものの、フロア下の形状を最適化するなど進化をしています。
タイヤもこれまでと同じダンロップ製となりますが、今シーズンはグリップを重視したものを使用していく予定とのこと。
2020シーズンは悲願のシリーズチャンピオンを目指し、必ず表彰台を狙えるマシンとしてかなりの進化を遂げていると渋谷監督も語っていました。ファンにとってもチームにとっても、今シーズンのSUPER GTへかける熱い想いを実現させるために大きく進化したBRZ GT300に期待が高まります。
(Text:井元 貴幸 Photo :土屋 勇人)
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