■「ここちよさ展」がHondaウエルカムプラザ青山で3月14日まで開催中
いよいよ2月14日から発売が開始された新型フィット。その開発コンセプトが「ここちよさ」だったことはご存知でしょうか。
ホンダでは長年、「人の研究」を重視してきたそうです。その目的は、乗員が主役となり、人々の生活に寄り添うようなプロダクトを作るため。数字では表せない人間が持つ感性価値を追求すした結果、新型フィットでは「ここちよさ」というキーワードにたどりつきました。
そうした研究の中で行われたのが、「潜在ニーズ調査」です。例えば調査対象者にいくつかの画像の中から直感で気に入ったものを選んでもらうことで、本人が気づいていないような潜在的な欲求を探り出すというような手法のことです。
そんな新型フィットの開発で生かされた潜在ニーズ調査を体感できるのが、Honda青山ビル1階のパブリックスペース「Hondaウエルカムプラザ青山」(東京都港区)で3月14日(土)まで開催されている体験型イベント「ここちよさ展」です。
「ここちよさ展」のテーマは、「ここちよさって、なんだろう?」です。会場には視覚・聴覚・嗅覚・触覚のブースが設けられており、それぞれに様々な写真・音・香り・素材が用意されています。それを実際に試してみながら、自分が「ここちよい」と思ったものを選択していくと、それらの選択結果を基に本人が「潜在的に感じている気分」や「ここちよい暮らしのヒント」、そして「おすすめのフィット」を提案してくれるというものです。
先日行われた体験取材会では、このイベントの立役者でもある新型フィットのCMF(カラー・マテリアル・フィニッシャー)デザイナーである落合愛弓さんと、ホンダ広報部の坂実沙子さんがステージに登壇されました。
坂さんは「新型フィットの開発責任者の話の中には人研究のほか、触り心地にこだわったという話がありました。そこから、何か五感で感じていただけるような体験型のイベントができたらいいなという思いがあり、今回の企画につながりました」と、「ここちよさ展」の開催経緯を教えてくれました。
一方、二代目フィットに10年間乗っていたという落合さんは、「新型フィットの開発では、機能的価値から感性価値に大きくシフトさせることを決めていたのですが、最初はそこにシフトさせるのにすごく力が必要でした。今回の展示にもあるような、お客様が言葉にできないニーズをいかに掘り起こすかという作業をすることで、『ここちよさ』にたどり着くことができたんです」と開発時の苦労を明かしてくれました。
●自分が「ここちよい」と思ったものを選択していこう
それでは、実際に「ここちよさ展」を体験してみましょう。
まず受付で体験シートをもらったら、4つのブースを順番に回っていきます。
聴覚:ここちよい音
最初のブースは『聴覚』です。ブース頭上のスピーカーから「屋久島のせせらぎ」や「朝霧高原の朝」など5種類の音が流れます。どれが自分にとってここちよい音だったか、2種類を選択します。
視覚:ここちよい写真
2番目のブースは『視覚』です。これはホンダの人研究でも行われた手法の体験版とのこと。「星空とテント」や「海辺のハンモック」など25種類の写真の中から、お気に入りの2種類を選択します。
嗅覚:ここちよい香り
3番目のブースは『嗅覚』です。テーブルに並べられた10本の瓶の蓋を開けると、それぞれ柑橘や檜、ハーブなど様々な香りが漂ってきます。それらの中から、ここちよいと感じられた香りを2種類選択します。
触覚:ここちよい肌触り
4番目のブースは『触覚』です。10種類の素材がぶら下げられており、デニムやシリコンゴム、和紙などを実際に手で触ってみて、肌触りがここちよかったものを2種類選びます。
4つのブースをすべて訪れたら、記入した体験シートを受付に渡します。引き換えに、自分がここちよいと感じた音・写真・香り・肌触りで2種類ずつ、合計8つの選択肢を基にした分析結果が記載されているカードをもらうことができます。「潜在的に感じている今の気分」や「ここちよい暮らしのヒント」が書かれているので、読んでみましょう。「おすすめのフィット」も選んでくれるのですが、筆者は最上級グレードである「LUXE」がふさわしいようです。
また、「ここちよい味わい」の飲み物を提案してくれます。そして、実際にそれを飲むことができます。
ここちよく感じたものの組み合わせは、なんと一億通りとのこと。落合さんによると、「感性価値には正解がありません。一人一人が体験してもらった答えが全く違う形として出てくるので、その違いを発見したり楽しんでいただきたいですね」とのことでした。
ちょっと疲れた心と身体をリフレッシュさせるのにもピッタリな体験型イベント「ここちよさ展」で、自分の潜在意識の扉を開けてみてはいかがでしょうか。自分の意外な一面が発見できるかもしれませんよ。
(長野達郎)