もっとも「メルセデスらしい」EクラスのディーゼルPHV【メルセデス・ベンツE350de試乗】

■日本では唯一の存在となるディーゼルエンジンPHVの乗用車

メルセデス・ベンツ Eクラスは世界中の多くのクルマがさまざまな面で開発の手本とされるようなベーシックさを持ったクルマです。

それだけにEクラスは、挑戦的なクルマ造りをすることも多くあります。たとえば初のワゴンはEクラスの前身となるミディアムクラスのW123から始まっています。

E350de前7/3 スタイリング
エクステリアはグリル内にスリーポインテッドスターがあるアバンギャルド

E350deはそうしたEクラスのセダンに設定されました。搭載されるエンジンは2リットル直4ターボディーゼルで194馬力/400Nmを発生します、組み合わされるモーターは122馬力/440Nmのモーターで、システム出力は306馬力/700Nmとなります。

2リットルのエンジンにモーターの組み合わせなのでE200deという車名でよさそうですが、ここ10数年のグレード名の数字は“それくらいの排気量と同等の出力の数字”となっています。つまり3.5リットルくらいの出力なので350と表記するということです。これら20世紀終盤から21世紀初頭にかけて欧州を中心に取り入れられてきましたので、その当時の3.5リットルエンジンと同等という感じです。

2020年1月現在、ディーゼルPHVの乗用車は日本ではこのモデルのみとなります。

E350de エンジン
ディーゼルエンジンそのものの完成度も高い
E350de 給油口
排ガス清浄化にはアドブルーを使うタイプ
E350de 充電
充電口はリヤバンパー右側。急速充電は非対応で、普通充電のみ

E350deのパワーモードには「ハイブリッド」「Eモード(電動走行優先)」「Eセーブ(バッテリー温存)」「チャージ(充電しつつの走行)」の4モードが用意されています。シャシーのモードは「エコ」「コンフォート」「スポーツ」「スポーツ+」「インディビデュアル」が選べます。

Eモードで走り始めると、当たり前ですがその感覚は完全なるEVです。しかもEVの特徴である静粛性はかなりの高レベルとなります。ディーゼルエンジンが作動した際の静粛性も確保しているE350deでは、EV状態での静粛性は一般的なEVより高くなるというわけです。EVのままで走り続け、その状態からアクセルを踏み込んでいくとペダルにクリック感が発生、その瞬間にエンジンが始動します。

E350de フロントシート
フロントシートのしっかり感はメルセデス・ベンツらしいもの
E350de リヤシート
Eセグメントセダンらしく、リヤシートもゆったりとしている

ハイブリッドモードでのエンジン始動時のつながりはスムーズで、ノイズや振動もほとんどありません。アクセルペダルはインテリジェントアクセルペダルと呼ばれていて、先行車に近づき過ぎたときなどはペダルが2回ほど足裏をノックするように動き、注意を促すという機能も備えています。

E350de インパネ
メーターは液晶タイプで横長のフレームにナビモニターとともに収められる
E350de ラゲッジ
走行用のバッテリーを収めるためラゲッジルームには段差がある。トランクスルーは可能

ハンドリングに関してはEクラスそのもの、乗り味も同様で、世界を代表するEセグメントらしいものです。つまり、ハンドリングは正確、乗り心地は快適で、装備を含めこのクラスが欲しいというユーザー層にとって875万円という価格には満足がいくものでしょう。

E350de リヤスタリング
4気筒のPHVだがエキゾーストテールパイプは2本あり、スタイルを引き締めている。

E350de イメージ

(文・写真/諸星陽一)

この記事の著者

諸星陽一

諸星陽一 近影
1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想のクルマ生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。