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■今回の年次改良ポイントはフットワークとADAS機能向上
毎度おなじみレクサスの年次改良が加えられたLS500hに、国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが頑固一徹試乗です。
FRモデルのショックアブソーバーに、AWD車と同様の伸圧独立オリフィスを採用し、減衰力可変幅の拡大や摩擦低減など乗り心地を向上。ランフラットタイヤの補強層構造の最適化、AVSやリヤサスペンションマウントのチューニングにより、上質な乗り心地を進化させました。
またハイブリッド車のLS500hでは、加速時のバッテリーによるアシスト量を増加させアクセル特性を変更することで、駆動力と静粛性を高めた。『EXECUTIVE』では、後左席の足元空間や前方視界を広げたエンターテインモード、操作性を高めたリヤマルチオペレーションパネルなどにより後席の快適性を向上させました。
●乗り心地も良くなり、ショーファーでもあり、かつドライバーズカーでもあり!
パートへのシステムと特にサスペンション系かな、かなりアップデートされて、前のモデルよりも特に乗り心地が良くなったと言われていますので、さっそくテストしてみたいと思います。
気になっていたのは乗り心地と、それだけではなく、特にADAS系…ドライバーアシストシステムの使い勝手が気になっていました。カメラで車線を見て車線を維持できるアシスト機能がどういう風により使いやすくなったのかも合わせてチェックしていきたいと思います。
パワートレーンは、電気系がブラッシュアップして、かなりトルクが増しているかな? 静粛性も良くなっているしね。電気で走る領域がちょっと広がったのかもしれないです。
ストレート6とかディーゼルとかV8とか、このクラスはいろいろなパワートレーンがあります。メルセデスもV6プラグインがSクラスにありますからね。でもやっぱり、レクサスのLS、悪くないよね! ストロングハイブリッド、2モーターのTHS(TOYOTA Hybrid System)ですけどね。
●ADASの機能性を頑固テスト!
さぁ、さっそくADAS(運転支援システム)を使ってみましょう。ハンドルの右手の親指でメインスイッチをONにして、+(プラス)/-(マイナス)の「-」を入れるとその時の速度でまずは設定されます。今、この道路は60km/h制限なので60km/hで設定します。
前のクルマをロックオンしながら追従していくのですが、車間距離は右手の親指のところで調整できます。レーンキープアシストとセンターラインのガイド、車線維持を合わせて使っています。この辺はかなり統合されて、使い勝手は悪くないですね。
レクサスLSは自動車線変更機能が付いています。ウインカーを半押しするとピッ!と鳴って自動で車線変更します。この機能、まだハンズオフは出来ないんですけど、ハンズオンの中でも電動パワステシステムがステアリングを切って車線変更を自動で行う…というよりもアシストしてくれるようなシステムが付いています。
ウ~ン、やっぱLSは完成度が高くなると、ドイツ車とはまた違った清々しさがあるよね。
このインテリアの作り込みとか皮シートなど、デザインはさすがレクサスだなという気がしますね。レクサスの親分はデザイナー出身の方が2代続きましたから、そういう意味でブランディングとかデザイン、ここはレクサス独自の世界を作り上げることができたなと思っています。
あとはハードウェア、シャシー、あるいはパワートレーン、こういったところがどれだけレクサスの世界を独自に演じきれるのか、そこが課題でもありますね。
これなら頑固一徹・和、満点あげたいな! ADASも10点満点中8点、乗り心地も9点くらいだし。ただ、あえて言えば、ステアリングのセンターをビシッと手ごたえを出して、もうちょっと直進性が良いといいですよね。
■Summary(まとめ)
●まるでEVカー並みの電気走行領域もあり!
レクサスLS500h、ハイブリッドなので本当に静かで、まるで電気自動車みたいに走る領域が60~70km/hくらいまでありますね。フル加速しないとエンジンがかからずに、かかっていてもスーッとトルクフルに走れて気持ちがいいなって思います。
今回のビッグマイナーチェンジで乗り心地、ハンドリングはかなり良くなっていますね。このサスペンション、シャシー性能でしたらヨーロッパの高級車と比べても遜色ない、そんなイメージです。
課題はドライバーアシストシステム…アダプティブクルーズコントロールと、レーンチェンジアシスト、車線維持ですね。
何がいけないか?というと、トヨタは安全安全でいくので、例えば前のクルマに追従していくときも、前が加速したときにちょっと加速のタイミングが遅れるところがあるんです。そこが少し気になるのと、LKAS(車線維持支援システム)も車線の真ん中というよりも若干、左寄りであったり。
この辺はもう少し車線の中で精度の高い車線維持をしてくれると助かるなって思います。
新しいレクサスLS500hは、メルセデス、BMW、アウディと比較してみても、相当強い競争力を持っていると思います。
(試乗:清水 和夫/アシスト:永光 やすの/動画:StartYourEnginesX/取材協力:レクサス)
【SPECIFICATIONS】
車名:レクサス LS500h EXECUTIVE(2WD/FR)
ボディサイズ:全長5235mm×全幅1900mm×全高1450mm
ホイールベース:3125mm
トレッド前後:フロント1630mm/リヤ1635mm
車両重量:2320kg
エンジン:V型6気筒DOHC
エンジン排気量:3456cc
ボア×ストローク:94.0×83.0mm
エンジン 最高出力:220kW(299ps)/6600rpm
エンジン 最大トルク:356Nm(36.3kgm)/5100rpm
使用燃料&燃料タンク容量:無鉛プレミアム&82L
モーター最高出力:132Kw(180ps)
モーター最大トルク:300Nm(30.6kgm)
トランスミッション:マルチステージハイブリッドトランスミッション(電気式無段変速機)
駆動方式:後輪駆動(RWD)
乗車定員:5名
サスペンション:F&R マルチリンク
ブレーキ:F&R ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:フロント&リヤ 245/50RF19 101W(ランフラットタイヤ)
燃料消費率 :WLTCモード 13.6km/L /JC08モード:15.0km/L
車両本体価格(税込):16,709,000円
【清水 和夫 プロフィール】
1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業
1972年のラリーデビュー以来、国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。
【頑固一徹試乗とは?】
国際モータージャーナリスト、清水和夫が斬る試乗インプレッション『頑固一徹テスト』。頑固一徹・清水和夫が独自の目線でチョイスした新型モデルを、パワートレイン、シャシー性能、ヒューマンマシンインターフェイス(HMI)の3分野で評価、採点し、その合計点によって10段階で評定します。
■頑固一徹 総合評価指数
3〜6点→★
7〜12 点→★★
13〜18点→★★★
19〜24点→★★★★
25〜30点→★★★★★
■頑固一徹テスト 試乗インプレッション
評価軸(3項目)&評価ポイント
パワートレイン 10段階評価(1〜10点)
シャシー性能 10段階評価(1〜10点)
ヒューマンマシンインターフェイス 10段階評価(1〜10点)
【関連リンク】
StartYourEngines HP
https://www.startyourengines.net
国際モータージャーナリスト、清水和夫が主宰する自動車専門動画ウェブメディア。クルマの限界性能と安全性を徹底的に試すダイナミック・セイフティ・テスト(DST)を始め、国内外の新車インプレッション、注目度の高まる先進安全技術、自動運転など、クルマに関するあらゆるジャンルの動画をサイトアップしています。ぜひぜひ!チャンネル登録のうえご視聴ください。
StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX