「スポーツカーは人生を楽しむためのアイテムだね!」ホンダS660 Modulo X【注目モデル「水瀬琴音」とドライブデート!? Vol.20】

●スポーツカーはハイヒールのようなもの!?

ふと思うときがある、スポーツカーってハイヒールのようなものじゃないかって。

水瀬琴音
S660 Modulo Xと

ボクはハイヒールを履いたことがないからよくわからないけれど、履くと疲れるし、足が痛くなることも少なくないらしい。実用的な靴でないことは、想像がつく。だけどそれを履くのは、実用面でのウィークポイントを超える、美しさがあるからなのだとか。多くの犠牲を超えて、美しさを引き出すツールみたいだ。

S660
ハイヒールなクルマ

いつも美しい彼女だけど、確かにハイヒールを履いているときは一段と美しい気がする。細い脚も、そして立ち姿も。気のせい……じゃないよね。

水瀬琴音
一段と美しい……

スポーツカーも、実用面の犠牲が少なくないクルマだ。たとえばボクの愛車のホンダS660は、たったの2人しか乗れない。そのうえ荷物も積めないし、どうひいき目に見たって実用性なんて言葉はまったく見当たらない。それはオプションで用意されているの?ってくらい。

S660
このクルマだけの「走りの楽しさ」がある

でも、実用車にはない「走りの楽しさ」がある。曲がり始めるときの、まるで鋭い刃物が切り込むように、思った通りにスッと曲がる感覚が爽快だ。駆動方式はエンジンのパワーを後輪に伝え、大地を蹴って加速する後輪駆動。だから、ステアリングフィールに淀みがなく、旋回時の気持よさも格別である。

幌だからちょっとうるさい屋根も、気候がいいときは空けてオープンドライブを楽しめる。その心地よさと言ったら……本当に買ってよかった。

S660のような実用性を忘れた本格スポーツカーのパッケージングのクルマは、多くの犠牲の上で「何事にも代えがたい快楽」を楽しめるクルマなのだと思う。それがスポーツカーという存在なのだ。

そしてS660の凄いところは、サイズは小さいけれど走りは本格スポーツカーに負けず劣らずこだわっていること。狭くてクネクネした林道のような峠道を、こんなに楽しく走れるスポーツカーはちょっと他には見当たらない。

S660
空力に優れたミラー
S660
リアエンドに控えめなスポイラー

ボクの愛車のS660は「Modulo X」という仕様で、ふつうのS660をさらにカスタマイズしたこだわりモデル。空力特性を高めるダイナミックなスタイリング、走行特性を磨いた専用サスペンション、そしてレッドをコーディネートした内外装。こだわりの1台だ。

「ハイヒールってね、美しく魅せるためにあると思っているでしょ? でもそれだけじゃないんだよ」

ふと、彼女が言った。

水瀬琴音
「ハイヒールってね……」

彼女の言うには、ハイヒールを履くとテンションが上がるらしい。気持ちをアゲる効果があるってことらしい。それってつまり、人生を楽しむためのアイテムのひとつ、ということじゃないだろうか。

そう聞いてスポーツカーも同じだと思った。はっきり言って使えないクルマである。日常での実用性の犠牲は多い。しかし、見た目はカッコイイ。なにかこだわりのモノを所有するのは、人生を楽しむうえで大切なことだとボクは思う。

スポーツカーは、絶対的な走行性能を引き出すよう状況なんてなくっても、所有しているというだけでテンションが上がるというか、人生のモチベーションがアップするような気がする。

S660
僕の愛車のハイヒール
S660
モチベーションアップのサウンドが……

ボクにとってスポーツカーはハイヒールのようなもの。どちらも、生きる上でなくても困らないけれど、あれば人生が充実するのだ。ちょっと違うかな……。まあいいや、彼女が「それわかるー」と言ってくれたから。

水瀬琴音
ソフトトップを開けてドライブ、ドライブ!

今週末もふたりでドライブに行こう。ちょっとくらい寒くたって、もちろん屋根を開けてね。

(文:工藤貴宏/モデル:水瀬琴音/ヘア&メイク:東なつみ/写真:ダン・アオキ)

この記事の著者

ダン・アオキ 近影

ダン・アオキ

15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。
諸行無常の響きあり。主に「女性と車」をテーマにした写真を手がけ、『clicccar』では「注目モデルでドライブデート」の撮影をさせていただいております。感謝。
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