一度も優勝できずに悔しいけど2019も全戦完走、最後まで走りきって大満足!!【井出有治・韓国SUPERRACE ASA6000 第8/9最終戦】

■SUPERRACE ASA6000、後半は3台体制!

●ハードスケジュールで開催された2019シリーズ全9戦

clicccarテストドライバー&プラチナレーシングドライバーの井出有治選手が2014年から連続参戦し、2019シリーズで6年目となった韓国国内を転戦し開催される『SUPERRACE ASA6000(2018年まではS6000のクラス名称/「ASA」は韓国のホイールメーカー名)』。先日の10月27日で最終戦を迎えました。

開幕前テストからクムホタイヤのパフォーマンスがイマイチで、何度も渡韓しテストを繰り返していた井出選手。徐々にマシンとのマッチングが取れ、しかも第6戦からはKUMHO ECSTA RACING TEAM(クムホ・エクスタ・レーシングチーム)に、S-GTやスーパー耐久でも活躍する井出選手の可愛い後輩、藤波清斗選手(#88)が加わり3台体制に!

さぁ、2019シリーズの締めくくり、今回レポートする第8&9戦は2日間連続となったレースです!

レース前
藤波選手が加わり、このメンバーで後半を戦いました。(前列左から、井出選手、ジョン選手、藤波選手)

■井出さん、アルファロメオ「F1 Tributo」仕様の新車発表イベントに登場!

そうそう、韓国レースレポートの前にひとネタを。

F1日本GP直前に行われた「アルファロメオ」イベント…F1参戦記念のジュリア&ステルヴィオ特別仕様車「F1 Tributo発表会」に行ったら、なんと!井出有治さんがゲストとして登壇! 元F1パイロットならではのトークイベントで盛り上がっていました。

アルファロメオイベント
アルファロメオのF1マシンを前にトークショーを行う井出有治さん。「愛車だったジュリエッタ、もう一度乗りたいですね!」

「以前、2016~2017にかけて、アルファのジュリエッタに乗っていたことがあり、その縁もあってアルファロメオさん(FCAジャパン)のイベントにチョイチョイお邪魔させてもらっています。

ジュリエッタはあの価格帯の割にデュアルクラッチ・ミッションがダイレクト感もあり気に入っていたんです。ジュリエッタは『もう一度乗りたいクルマリスト』の1台でもありますね!」(井出)

井出さんとジュリエッタ
以前、愛車にしていたというジュリエッタ。「ジュリアより可愛い顔してるでしょ!」

そんなイベント中、現役F1パイロットもトレーニングで使用するというシミュレーターがあったので「ちょっと井出さん、元F1パイロットの華麗なる走りを魅せて~!」ってお願いしたら、「え~アレやったことないし…それにギャラリーがたくさんいると緊張します~!」

そこは半強制的にコクピットへ。「コレってオートマだよね?」って確認後、コースイン(っていうのかな?)。初めてとはいえ2~3周も走ればコースアウトすることなくさすがの走りを披露!「マジになっちゃった!」さすがゲーマー(笑)。

この日はメディア向けの発表会の後、夜は一般の方向けのイベントにも参加したそう。Alfa Romeoウェアがとってもお似合いだった井出さんでした~。

シミュレーターと井出有治
「やったことな~い!」というF1シミュレーターですが、さすがのドライビングを披露してくれました。「手がオカマチックじゃない!?」(井出)

●韓国は寒〜い! 風邪ひきそう(泣)←帰国後、風邪ひいた…。

本題に戻って韓国レースレポートを。

ボクはレースウィークの木曜日からサーキット入りしました。木曜日はぽかぽか陽気で23〜24度ですが、予選・決勝レースが行われる土・日曜日は最高気温が12〜13度という情報です。この時期の韓国って寒いんです。で、この気温差で毎年風邪をひくので気を引き締めなければ…。まだ年間チャンピオンの可能性はあるので落ち着いて頑張ります!(井出有治)

Rd.8井出有治
ラスト2戦、諦めずに走ります!

●見せ場はスタートとともに終わってしまいました〜(涙の井出選手)【Rd.8】

【韓国SUPERRACE ASA6000 Rd.8】
Everland Speedway Circuit
KUMHO ECSTA RACING TEAM
#07 Ide Yuji 井出有治選手
予選2位/決勝2位

Rd.8スタート
予選2位、スタートと同時にトップへ!(Rd.8)

ラスト2戦は1Dayで予選・決勝が行われます。「金曜日のFree Practiceはトップタイム!」と井出選手より現地からの報告を受け期待!の中、予選はQ1=3位、Q2=4位、Q3=2位で決勝へ挑みます。

午後3時過ぎ、フォーメーションラップ2周の後、ローリングで決勝スタート!と同時に2番手スタートの井出選手はトップへ! さすがスタート王子!!

Rd.8井出選手
接戦を制し、2位GET!

その後6周目、#01にトップを奪われ(YouTubeだとスルッと抜かれたように見えた)2番手を走行。一時3番手に迫られるも抜かれることは無し。3位以下のいつもの激しい争い(過去のレースレポート参照)があったため、後ろを気にせずトップを追いかけるも追いつけずに2位でGOAL。でも、4戦ぶりの表彰台獲得です(祝)

僅差の2位ゴール
結果、2019年2度目の2位でゴールでした。

チームメイトの#04 ジョン選手は4位争いの集団の中、マー柳田選手(柳田真孝)に当てられ最終周にスピン(涙)…9位でGOAL。#88 藤波選手は15周めに何かが起こった模様でピットイン、すぐに戻るも18位でGOALでした。

さぁ、明日は最終戦Rd.9です!

●いくゼ最終戦! スタートと同時にチョイ落ち込むも、ジワジワ浮上し結果は4位【Rd.9】

【韓国SUPERRACE ASA6000 Rd.9 FINAL ROUND】
Everland Speedway Circuit
KUMHO ECSTA RACING TEAM
#07 Ide Yuji 井出有治選手
予選5位/決勝4位

Rd.9井出選手
このマシン、マフラーからのアフターファイヤーが凄いんです!

2019シーズンもYouTubeで1年間観戦。いよいよ最終戦! なのに、ファイナルラウンドだっつーのに予選のTouTube配信がありませんでした(涙)。なのでまったく様子は分かりませんが井出選手、(多分)順調にQ3まで進んで予選は5位。

2019最後のレースがスタート!と同時にゴチャゴチャに巻き込まれた井出選手…あれ、2周めに7番手に後退。でもすぐに3周めには6番手へ浮上です。予選1位のチームメイト#04ジョン選手は2番手へ後退。#88藤波選手は予選15番手→14番手へ。

井出VS.柳田
中盤、7番手のマー柳田選手と接戦バトル! もちろん、勝ちました〜!!

この最終戦、ところどころガチンコバトルはあるものの、いつもと違って平和なレース展開!?  しばらくは井出選手に被害が及ぶようなことはなし…な〜んか物足らないゾ!?

中盤、6番手の井出選手は7番手#08マー柳田選手との接戦バトル。が、徐々に離して15周めには3位争いの集団の中、5番手へ浮上! 19周めには2019シリーズチャンプとなった#01とブレーキング勝負に勝利し4位へ! そしてGOALとなりました。ン〜表彰台まであと一歩。

#04ジョン選手
チームメイトのジョン選手、予選1位、決勝2位でした。

#04ジョン選手は途中3番手まで沈んだものの、14周めの#93、#95との2番手争いの中、ブレーキング勝負で2番手へ浮上、そして超僅差の2位でGOAL! #88藤波選手は14番手から徐々にアップし結果、7位でGOALでした。

#88藤波選手
#88藤波選手はジリジリ追い上げ、ラストは当て合いバチバチで7位です。

■2019やり切った! チームのみんなにも感謝!!(井出有治)

調子がいまいちの中、最後の2レースはやれるだけのことを最後まで諦めずに走りました。結果は2019シリーズ・ドライバーズランキングを4位、チームランキングは2位で終えました。

スタッフ
どんなにマシンが壊れても、スタッフ一丸となりコースへ復帰させてくれました。

正直、2018年以上にタイヤで苦しみました。シーズン序盤に大きなポイントを取れず、しかも参戦して初めて一度も優勝できなかったのが悔しい!

チームスタッフ
一度もリタイアすることなく走らせてくれたクルーに感謝です!

しかし、チームとメカニックは2019年も全てのレースで、ミスやトラブル無く走らせてくれました。どんなカテゴリーでもこれは本当に素晴らしい仕事だと思います。チームに感謝!です。

3台体制
1年間戦ったマシンたち。お疲れ様!!

クムホタイヤのスタッフたちも一生懸命にやってくれたから、本気で不満はありません。ただ悔しかったな…。1勝も出来ずの2位が2回。

これでボクの今シーズンのレースは終了です。clicccar読者の皆さん! 1年間、応援いただきありがとうございました!(井出有治)

チームメイトと
苦しい2019シリーズでしたが、やり切った感いっぱいです。
2019シリーズ
シリーズランキングはドライバーで4位、チームが2位で終えました。応援ありがとうございました!

(レポート:井出 有治・永光 やすの/画像:KUMHO ECSTA RACING TEAM・井出 有治・甲斐 貴之)

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【関連リンク】

井出有治オフィシャルサイト yuji-ide.com
https://www.yuji-ide.com/

CJ LOGISTICS SUPERRACE CHAMPIONSHIP公式webサイト
http://www.super-race.com/main/main.jsp

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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