●広い全幅、長いホイールベース…グランエースの大きな車体のポイントは?
東京モーターショーの青海展示場・トヨタブースのすぐ隣にあるトヨタ車体のブースには「グランエース」と名付けられたかなり大きなミニバンが展示されています。
このグランエースは今年2月フィリピンで発表された300系ハイエースの日本版と言えるモデルです。現行ハイエースではグランドキャビンと言われるグレードがワゴン系の最上級モデルとなりますが、それを一線を画する豪華なモデルと仕上げられています。
ハイエースグランドキャビンは、4列シート配列で前から2-2-3-3名の10名定員ですが、グランエースは2-2-2名の6名定員もしくは2-2-2-2名の8名定員の2種が用意されます。
フィリピンをはじめとして東南アジア諸国ではハイエースの4列シートモデルを移動手段として使っていることが多く見かけます。まだまだ公共交通機関が充実していない地域では1台のクルマに多くの人が乗れるのはとても重要なことなのです。日本でも人手不足が深刻化しているので、1人のドライバーがたくさんの人を運べるようになるのはとても重要なこととなるのでしょう。
このグランエースは2019年中に発売とのことなので、2020年の東京オリンピック・パラリンピックには間に合うというということになり、日本を訪れる外国人観光客をたくさん乗せて移動するもしれません。
さて、客観的に比較をしてみました。それぞれの項目は下の表組みを見てもらえば一目瞭然ですが、ポイントを少し解説しましょう。
グランエースはアルファードに比べて210mmも長いホイールベースが与えられています。現行のハイエース・グランドキャビンと比べても100mmも長くなっています。当然のように全長も長くなっていますが、それよりも全幅が120mmも広げられていることが最大の特徴とも言えるでしょう。レクサスLSの全幅が1900mm、LX(ランドクルーザーのレクサス版)が1980mmmですから、その幅の広さは推して知るべしです。
アルファードは前輪駆動システムを採用するモデルですが、グランエースは後輪駆動となります。ここがアルファードと大きく異なる部分となります。グランエースは商用車もラインアップする車系で、アルファードは乗用オンリーの車系です。どちらがいいということはありません。
また、現段階ではグランエースはディーゼルエンジンのみの設定となっていますが、今後ガソリンエンジンやハイブリッドの登場がないとは言い切れません。今後の展開も含めてグランエースがどうなっていくか? にはかなり注目です。
(文/写真・諸星陽一)