ショックアブソーバーなどは変更せず、ホイールの変更だけでセッティングを出す【シビックタイプR 無限パーツ装着車】

●フロントのトレッドを拡げてアンダーステア傾向を抑えこむ

ホンダ・シビックタイプRに無限パーツを組み込んだモデルに試乗しました。

このモデルでおもしろかったのは、ショックアブソーバーなどは変更せず、ホイールの変更だけでセッティングを出している部分でした。

無限シビックタイプR7/3
各種エアロパーツが装着され、力強いスタリングとなっている無限シビックタイプR

装着されていたホイールは20インチの鍛造の切削仕上げモデル「MDCF」です。このホイール、4本で10kgオーバーの軽量化が施されています。同じ20インチホイールですが、フロントは2.75kg/本の軽量化、リヤは3.1kg/本の軽量化が施されてます。ホイールサイズは8.5J×20で同一ですが、重さが違います。

無限シビックタイプR ホイール
前後でインセット量が異なるホイール。

その秘密はインセットにあります。フロント用のインセットは45mm、リヤ用のインセットは53mmとなります。つまり、フロント用は取り付け面が厚くなるので、その分重くなるというわけです。

無限シビックタイプR フロント回り
カーボンのグリルガーニッシュ、バンパーガーニッシュ、アンダースポイラー、カーボンボンネットが装着されたフロントまわり
無限シビックタイプR リヤまわり
リヤのカーボンウイング、ウイングスポイラーは開発中。ルーフエンドスポイラーも装着される

だったら、フロントもリヤと同じインセットにすればさらに軽量化ができると思う人もいるでしょうが、フロントのインセットが小さいのにはわけがあります。

フロントはインセットを小さくして、トレッドを広げようというのが目的です。フロントトレッドを広げることで、フロントのグリップをアップしてアンダーステア傾向を抑え込もうというのが目的です。

実際に走らせてみると、ステアリングを切った瞬間からの動き出しもよく、コーナリング中にスロットルを開けていったときのアンダーステア傾向もよく抑えられています。なによりも、ショックアブソーバーやスプリングを変更することなくこのセッティングを出していますので、乗り心地は損なわれていません。

無限シビックタイプR マフラー
開発中のスポーツエキゾーストシステム
無限シビックタイプR サイドアンダー
サイドガーニッシュ。エアロパーツ系は無塗装版と塗装版が用意される

また試乗車にはクイックシフターも装着されていました。このクイックシフターはシフトストロークをマイナス10mm(6%)するだけでなく、シフトレバーの装着位置をドライバー側に14mmオフセットしています。私は左手が少し短いので、このように装着位置が近づくとかなり操作性が向上します。

また、ゴムブッシュを廃止して金属リングとしたほかリターンスプリングのレートを18%程度アップしたことで、シフトフィールの節度感がアップしています。メカニカル感が増していることで、気持ちよく、そして正確にシフトができました。

無限シビックタイプR クイックシフター
スポーツドライビングをより魅力的にするクイックシフター

ステアリングはかなり太いグリップのものが採用されています。ただ、9時15分の位置はさほど太くもなくしっかりとつかむことができます。力強さと使いやすさを両立することができるステアリングであるとともに、正しい位置に手を置くことが基本となるのもいい点です。純正のエアバッグとスイッチ類を移植して取り付けるので、安全性や操作性の低下がないのもいい部分です。

無限シビックタイプR シート
MUGENのロゴが入ったレカロ製のシート。サポート性とともにクルマの動きがわかりやすい

ブレーキはパッドのみを変更。フロントは従来よりあるタイプ、リヤは新作でサーキットでのタイムアタックを中心に熱だれを抑える仕様としています。筑波2000を例にすれば、1ラップでアタック、次のラップでクーリングすれば、その次の1ラップは初期の性能を回復できる仕様となっています。

無限シビックタイプR ステアリング
かなり太めのステアリングだが、手を掛ける部分はさほど太くない
無限シビックタイプR 走り
乗り心地を損なうことなく、走りの性能をアップしている無限シビックタイプR

(文・諸星陽一/写真・長野達郎)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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