主力グレードは250万円前後。スポーティな外観と走りで、若いユーザーを獲得できるか?【新型カローラ登場】

●「TNGA」プラットフォームによるスタイリングや走りの進化で魅力をアピール

2019年9月17日、トヨタの新型カローラが発表されました。

日本国内専用のナローボディが与えられているセダン、ツーリング(ステーションワゴン)、同日に一部改良を受けたカローラ・スポーツは、「TNGA」プラットフォームや進化したシャーシ、最新の安全装備などを備えながらもセダンの価格帯は1,936,000円〜2,948,000円、ワゴンのツーリングは2,013,000円〜2,997,500円、スポーツは2,169,200円〜2,824,800円となっています。

トヨタ・カローラ
新型カローラは、セダンとツーリング(ワゴン)が国内専用ボディ、ハッチバックがワイドボディになる

プレス発表会には、報道陣だけでなく多くの歴代カローラのオーナー、販売店関係者が招かれていて、日本を代表してきた国民車としてのトヨタの意気込みを感じさせる内容でした。

トヨタ・カローラ
新型カローラ(セダン)のリヤビュー

日本の自動車市場が、軽自動車を中心としたダウンサイジング化の流れが定着している中、ついに5ナンバーサイズを超えた新型カローラですが、セダンとツーリング(ワゴン)には専用ボディが与えられています。

セダンは全長4495×全幅1745×全高1435mm。ツーリングは全長4495×全幅1745×全高1460mm。グローバルモデルになるハッチバックのスポーツは、全長4375×全幅1790×全高1460mm。ホイールベースは3バリエーションともに2640mm。

トヨタ・カローラ
カローラ・フィールダー改めツーリングを名乗るワゴンモデル

発表会では、インターネットで集った新型カローラに関する質問も紹介され、そのいくつかを吉田守孝副社長、主査の上田泰史氏がいくつか答えていました。

トヨタ・カローラ
インターネットを通じて新型カローラに寄せられた質問

例えば、「最近のカローラは若い人が乗っていないイメージ」という質問に関しては、主査の上田泰史氏がここ何代かのカローラにそうした傾向があったのを認めながらも、「TNGA」プラットフォームによるスタイリングや走りの進化で、若い層にも訴求できるという自信を披露していました。

若いユーザーに訴求する装備としては、トヨタ・ブランドの国内向けとして初の標準装備となるディスプレイオーディオ(DA)の採用もありそう。「LINEカーナビ」などスマホ・アプリを使えるようにしたことで、若いユーザーの獲得につながるかも注目ポイントになりそう。

トヨタ・カローラ
国内専用ボディにより狭い場所での乗降性や取り回しに配慮している
トヨタ・カローラ
最小回転半径は若干大きくなったが、実質的には同レベルといえる。逆に、ツーリングの上級グレードでは小さくなっている

また、国内販売事業本部の長田 准氏は、消費税10%込みでセダンのエントリーグレードは、200万円を切る193万6000円〜にして競争力のある価格設定にしたことを強調。

以前お伝えしたように、3ナンバーサイズ化に対するデメリットは、日本国内ボディの採用により極力抑制。30プリウスと同値の全幅ですから、セールス的には大きなマイナスにはならないかもしれません。

一方で、ボディカラーは「スカーレットメタリック」や「ダークブルーマイカメタリック」など目を惹く色もあるものの、白・黒・シルバー系が多い印象で、「ピンク・クラウン」のように話題が先行している感があってもインパクトのあるカラーがあってもいいような気がします。

なお、カローラ・スポーツには、モノトーンのほか、ブラックルーフ(アティチュードブラックマイカ)になる2トーンも設定されていますから、外装色にもこだわる層にアピールポイントになりそうです。

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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