HONDA eの市販仕様はコンセプトモデルとどこが違う?【フランクフルトモーターショー2019】

●エクステリアデザイナーはなんと「クラリティ」をデザインした方だった

「こういうデザインいいよね」とボクも本気で思っているホンダの量産電気自動車「HONDA e」。

日本では2020年に発売される予定で、日本仕様の正式お披露目はもう少し先になりそうですが、ドイツで開催されたフランクフルトショーでは欧州仕様が正式に発表されました。

ところで、HONDA eは3月にスイスで開催されたジュネーブモーターショーでも「プロトタイプ」が公開されていますよね。そのプロトタイプと今回の市販仕様は、一見したところ違いがないように見えなくもありません。

果たしてどこが違うのでしょうか。会場で確認してみました。

フランクフルトで公開された、HONDA eの欧州向け市販仕様

わかりやすいポイントは、フロントグリル。ジュネーブショーのプロトタイプは中央のホンダエンブレムが光っていましたが、それはショー用の演出だったようで市販仕様は通常のホンダエンブレムが組み込まれています。光りません。

こちらは3月にジュネーブショーで公開されたプロトタイプ

そしてよく見ると、佇まいが違います。プロトタイプは市販仕様よりもタイヤが外側に張り出していて、踏ん張り感がありました。ホイールの装着位置を外側にする、ドレスアップ用語でいうところの「ツライチ」に近い状態でしたね。市販仕様は公道を走るためのレギュレーションなどに合わせて、一般的な張り出しとしています。

また、ホワイトの車両はよーく見るとボディカラーも違います。プロトタイプはマット塗装で、これもショー用のメイクでした。

市販仕様のHONDA eと、開発責任者の人見さん

パッと見たところの違いはそんなところですが、開発をまとめた人見康平LPL(ラージ・プロジェクト・リーダー)によると「大きな違いは、ジュネーブの車両が試作車として特別に作られた車体だったのに対して、フランクフルトショーで展示した車両は工場のラインで作られたということです。だから樹脂のシボなどもすべて市販車と同じです」とのこと。

HONDA eの全長は4mを切るコンパクトさ

安心したのは、愛着のあるキュートなスタイルは市販仕様でも変わらなかったこと。現地価格約360万円が高いか安いかはさておき、このスタイルだけで買いたくなるコンパクトカーです。

しかもこのエクステリアデザイン、ホンダ・クラリティをデザインしたデザイナーさんの作品というから驚きませんか?

ちなみに「クラリティ」はこんなスタイリングです

(工藤貴宏)

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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