【新型日産スカイライン登場】高速道路で「手放し運転」が可能なプロパイロット2.0は、ハイブリッドモデルに搭載

●日産を代表するプレミアムセダン「スカイライン」にプロパイロット2.0が搭載

「プロパイロット2.0」を搭載した新型日産スカイラインが2019年7月16日に発表され、9月から発売を開始します。今回のマイナーチェンジ後は「インフィニティ」のバッヂが取れて再び「日産スカイライン」になり、日産を代表するプレミアムセダンという位置づけになります。

現行のV37型スカイラインがマイナーチェンジを受け、その目玉機能として「プロパイロット2.0」がハイブリッドモデルに搭載されるとともに、ガソリンエンジン車には、新たに3.0L V6ツインターボが積まれます。新世代のコネクティッドサービスである「NissanConnect」も用意されていて、専用車載通信ユニットによる多彩なサービスが提供されます。

「プロパイロット2.0」は高速道路上において同一車線内さらに法定速度内に限ってハンズオフが可能になるのが目玉機能。ここでは、おさらいを含めて「プロパイロット2.0」と「プロパイロット緊急停止時SOSコール」などについてご紹介します。

「プロパイロット2.0」はもちろん、国土交通省の認可を得てのリリースになっています。そのキモが「ナビ連動ルート走行」です。「プロパイロット2.0」は、対応ナビを使って目的地を設定し、高速道路の本線に合流すると「ナビ連動ルート走行」の開始が可能になります。

ルート走行中は、追い越し時の車線変更もドライバーに提案され、車線変更時はドライバーがステアリングに手を添えて、スイッチを押して承認することで、車線変更支援を開始。車線変更や追い越し、走行車線への復帰もスムーズにできるとしています。

なお、メルセデス・ベンツやテスラがすでに実用化している自動車線変更は、ドライバーがウインカーを出すと、周囲の状況を車両が検知してから自動で行うタイプになっています。なお、ウインカーの3秒ルール(道路交通法により、車線変更時の3秒前に出す)は守られている印象を受けます。

さて、日産・スカイラインの「プロパイロット2.0」で鍵となるのが、3D高精度地図データ、360度センシング、インテリジェントインターフェース。特に3D高精度地図データは日本初採用で、分岐やIC、出口を考慮し、レーンレベルの走行を計画し、カメラにより曲率や勾配なども先読みし、スムーズな速度制御が可能にしているそう。

なお、3眼カメラのトライカム(画角150度/54度/28度)のサプライヤーは明らかにされていませんが、日産の担当者は、画像処理に使うチップはモービルアイ製と回答しています。

360度検知はさらに、アラウンドビューカメラ(計4つ)、フロントレーダー、サイドレーダー、12のソナーが担っていて、自車周囲360度を検知。

さらに「インテリジェントインターフェース」として「プロパイロット緊急停止時SOSコール」も搭載されます。これはドライバーが急病などの理由で警報に反応しない場合、ハザードランプを点灯して徐々に減速し、最終的には停止させる機能で、専用オペレーターに自動接続するとともに必要に応じてオペレーターが救助要請(SOSコール)をする機能。

現時点では、停止させる車線は走行していた車線になります。担当者に伺ったところ、路肩に寄せるなどの車線変更を伴う動きに関しては将来的には採用したいそうですが、現段階のセンシング技術ではまだ難しく、課題もあるそうです。

なお、「プロパイロット2.0」は、現時点ではハイブリッド仕様のみで、新しい3.0L V6ターボには搭載されていません。対車両の衝突被害軽減ブレーキは積まれていますが、レーダーで検知するため歩行者検知機能は含まれていません。

新型スカイラインの価格は「VQ35HR-HM34」のハイブリッドの2WDが547万4520円〜604万8000円。ハイブリッドの4WDが575万4240円〜632万7720円。北米ですでに実績のある新しい3.0L V6ターボ仕様は2WDのみで、427万4640円〜552万3120円です。

(文/塚田勝弘 写真/平野 学)

【関連記事】

手放し運転が可能となる世界初の運転支援システム「プロパイロット2.0」を今秋発売のスカイラインに搭載【日産プロパイロット2.0】
https://clicccar.com/2019/05/16/817120/

プロパイロット2.0が実現するインテリジェント高速道路ルート走行とは?【日産プロパイロット2.0】
https://clicccar.com/2019/05/17/817065/

「インテリジェント高速道路ルート走行」で手放し運転ができる根拠と、手放し運転の作動時間は?【日産プロパイロット2.0】
https://clicccar.com/2019/05/17/817007/

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる