【Bangkok International Auto Salon2019】バンコクオートサロン2019開催! 日本ブランドの立ち位置はどうなった?

■東京オートサロンと公式に結ばれた東南アジア唯一のカスタムカーイベント「バンコクオートサロン」

東京オートサロンとライセンス契約を結んだ東南アジア最大級のカスタムカーイベント「Bangkok International Auto Salon2019」が開催されました。昨年は、約63万人の来場者と140の出展者があり、タイ国内外の1000台以上のカスタムカーが5日間イベントに参加しました。

オープニングでは、バンコク、東京の両オートサロン主催からの挨拶の後、元副首相まで来場しスピーチ。会場を練り歩き、熱心に車両を視察していました。

開場してからのアトラクションとしては、日光江戸村による忍者、侍ショーを披露。日本との繋がりをアピールできていると感じます。

もちろん、イメージガールも登壇。

そして、タイで恐らく一番人気のレーシングドライバー、ドリキンこと土屋圭市さんによるトークショー。トークショーで「ドリフトのきっかけは?」と聞かれたのに対し「サイドブレーキ」と答えてらっしゃいましたが、そこってドリフトをやるようになったきっかけを聞かれたのでは?

日本の自動車メーカー系では、トヨタ、ホンダ、いすゞ、スズキ、日産、マツダなどが出展。特徴的なのは、レーシングカーなどサーキットを走るクルマとピックアップトラックなどの実用車が混在しているところ。中でも、トヨタやいすゞはピックアップトラックもモータースポーツ向けの仕様を積極的に展開しています。

トヨタはTRDブランドのエンブレムを付けたモデルを多く出展。こちらでのTRD人気は高く、単にスポーティというだけでなく、少し上のグレード感にみられているようです。

ハイエースベースのサポートカー(最近の運転支援車じゃありません)がその巨体ともに目を惹きます。

ホンダはTRD同様、Modulo推しの展示です。ピックアップはないので、乗用車系とレーシングカーなどの展示がメイン。土屋圭市さんのサイン会は毎回人気のコンテンツです。今回もステアリングはもちろん、ミニチュアカー、ダッシュボードパーツなど、いろんなものにサインをもらっていました。

スズキはタイでも庶民の足らしくコンパクトカーを中心に展示しますが、スイフトスポーツではスポーティさを強調したものとなっています。

ピックアップトラックが乗用車使いされるタイでは、いすゞが一般ユースのシェアを大きく持っており、バンコクオートサロンでも広めのスペースを確保。ボンネットをスケルトンにしてパワーユニットを魅せる展示法など、日本ではちょっとみられないほど、トラックとスポーツを繋げてイメージアップを図っているのが印象的です。

日産は、中国・東南アジア戦略車、ナバラなど、日本では見られないSUV、ピックアップトラックのほか、センターにはブルーのGT-Rを展示。オートサロンというイベントのキャラクターもありますが、やはりタイではスポーツが売りになることが伺い知れます。ただし、輸入関税100%と言われるタイでGT-Rは超高級スーパーカーの一つです。

マツダはピックアップトラックのBT-50がありますが、モータースポーツに紐付けた活動は目立ってはしていないので、デミオのレース仕様が目を惹きます。が、中心にはロードスター(こちらではMX-5)の30周年記念車を展示。それもレアなRFです。ただし、特にそういったインフォメーションが見当たらなかったので、わからない人にはただのオレンジのMX-5と思われるのかもしれません。

あまり街中では見かけないSUBARUですが、しっかりオートサロンには展示していました。XVとフォレスターを中心に、その周囲にはWRブルーのBRZを6台も! 私は色んなクルマの展示会にいってますが、同じ色の同じ車種をこれだけ展示してあったのは初めてのような気がします。

タイヤメーカーでは、TOYO TIRESがOPEN COUNTRY M/Tのアピールのため、ハイラックスを展示。今年もタイからミャンマーへ抜けるアジアクロスカントリーへのチャレンジに向けたアピールでしょうか。

日本国内に比べると、タイではいずれも「スポーツ」がまだまだ売りに繋がると捉えることができます。しかし、バンコク市内での渋滞や道路環境の悪さ、スコールによる道路の冠水などを考えると、一般には選べる対象ではないかもしれません。実際に、街中でスポーツカーはそうそう見かけるものではありませんでした。が、それゆえに憧れのジャンルである、というのが本来のスポーツカーの立ち位置としてあるべき姿とも言えるのかもしれません。その憧れを保ち、作り続けていくことをメーカーに期待したいところです。

日付:2019年7月3日〜7日
時間:月 – 金 12:00〜21:30/土 – 日11:00〜21:30
会場:Challenger Halls 3, Impact, Maung Thong Thani
入場料: 100 BAHT

clicccar編集長 小林和久

この記事の著者

編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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