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「web option」では決して味わえない、The昭和なOPTION誌バックナンバーを紹介している「Play Back The OPTION」。
ココでは「OPT・300ZX耐久レース参戦記」第2戦記事を続々紹介、いよいよ我がOPT300ZXの登場です。元祖GRスープラ!?なトラスト・セリカ、超カッコいいRE雨宮・サバンナRX-7を追いかけ奮闘していたZです。
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OPT300ZX富士耐久レース挑戦第2戦目
<富士500マイル・レース> 1985年7月27~28日
三強・速いのはオレっちヨ!
■対決! ぶっ飛びレース仕様のメカ比較
ハコの市販モデルを限界までチューニングするのはオレたちのひとつの夢だ。そしてスピード無制限のサーキットで戦う。スポーティカー三強、フェアレディ、セリカ、サバンナ。そのメカニズムはノーマルとどこが進化しているのか……見てちょうだい。
【フェアレディ300ZX】by OPT/東名自動車/HKS
ボディは前回と変わらずストリート発展型のOPT300ZXだけど、唯一違う点はフェンダートリムの装着。メインスポンサーのゲインズがこのボディ用に特別製作したもの。もちろんこれ一品のみで非売品だけど、ノーマルZX用なら入手可。
■ストリート臭さの中に秘めたパワーはNo.1
ファイティング精神あふれるOPT・Zの売り物は、不気味なポテンシャルを秘めたV6ターボパワーだ。今回は東名自動車製の3.4L版。クランクシャフト、コンロッド、ピストンと強化されているから頼もしい。
HKSのターボチューンは従来どおりの三菱TD08と同じだが、3.4Lのトルクアップ分だけ走りやすくなっている。ただし、ノーマルブロックが心配なので、相変わらずレブリミットを6000rpmに抑え、300psしか使えない。これでレース用の直結5速のままだとスピードが伸びない。
そこで今回はなんと、ノーマルミッションを採用したのだ。そのためファイナルギヤは3.1から3.5に下げて、あまりハイギヤード化するのを防いでいる。
この他、サスペンションをさらに固め、レーシングタイヤを使ったのが速くなった秘密だが、もっともっと速くなるぞ。
「今のZXはレースに向かない」といわれていたのは足まわりにある。FストラットとRセミトレ方式は130Zと同じだが、Z31のほうが難しい。問題はやはり、リヤ。いくら固めてもセミトレ特有の動きが発生し、リバース時の挙動変化が大きい。やはりリンクの位置自体を変更するなどの対策が必要なのだ。
■レーシングタイヤの効用を知る
タイヤの果たす役割はレースでは抜群だ。前回でラジアル挑戦という目的を成し遂げたので、今回からレーシングタイヤに履き替えたのだが、「コーナーがグンと走りやすくなった」ばかりか、「パワーもかけられる」という効果が歴然と出た。
1分52秒から42秒への短縮にはタイヤの影響が大きい。
採用したのはヨコハマのグループA用16インチ。サイズは245/600-16だからトレッド幅自体は前回のA008ラジアルと同じくらいだが、東名製ホイールは9Jから10Jへ大きくしている。
しかし、レーシングタイヤというのはタイムアップの反面、セッティングが狂うと大変な問題になることも分かった。予定では500マイルくらいもつはずだったが、なんと30周ももたなかったのだ。これはレース当日が異常に暑く、路面温度が50度以上になったためという。タイヤのバーストが多発して、レースにならなかったのが残念だ。
しかし、タイヤのおかげで速くなるのだから裏目に出ても仕方ない。次回はピタッと当たるタイヤが出来るはずだし、この足まわりのトータルチューンに注目!
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え~っと…次回で紹介しますが…戦績は…アレ~!? その4までお待ちを!!
[OPTION 1985年10月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)