【ボルボXC90・新ディーゼル登場】圧縮エアーで過給を早めるスゴ技と北欧ならではの気配り

運転席の乗り込みエンジンを始動させると、車外ではディーゼル特有のサウンドをかすかに響かせます。しかし車内ではほとんど特有の音は聞こえてきません。よく遮音されていますね。

搭載される4気筒2L ディーゼルターボエンジンは最高出力が235ps/4000rpm、最大トルクは48.9kg・m(480N・m)/1750〜2250rpmという「太い」スペックを持っています。

このため出足からスムーズに2110kgのXC90を加速させていけちゃうんですよね。そのままアクセルを踏み込んでいっても、スムーズかつパワフルに加速をさせていくのでした。

しかし今回搭載されたこのエンジンには、さらに加速力を強めるとっておきのメカが採用されています。それが「パワーパルス」です。

これはあらかじめタンクに充填しておいた圧縮エアを、EGR配管を通してエキゾーストマニホールドに噴射してやるというもの。ターボチャージャーの立ち上がり過給を促進してくれるのです。

これは「アクセルを短時間に大きく踏み込んだ際」「1速または2速ギヤ」「エンジン回転数が2000rpm以下」という条件下で作動するようになっています。

実際にこのパワーパルスを試すべく、ごくごく低速域から大きくアクセルを踏み込みます。すると「ゴゴゴゴ」といった短い脈動の音と振動(いずれもかすかなもの)を伴って、明確にトルクの立ち上がりが早くなっていることがわかりました。

かなり効果的かつ実用的じゃないですかこのシステム!

というわけでXC90、格好いい見た目で中身はミニバン脱帽の居住空間。そんでもってわずか2Lなのにギュンギュン加速させてくれるエンジンを持つ(しかも燃料自体が安い)という、いいとこだらけなSUVなのでした。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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