運転席の乗り込みエンジンを始動させると、車外ではディーゼル特有のサウンドをかすかに響かせます。しかし車内ではほとんど特有の音は聞こえてきません。よく遮音されていますね。
搭載される4気筒2L ディーゼルターボエンジンは最高出力が235ps/4000rpm、最大トルクは48.9kg・m(480N・m)/1750〜2250rpmという「太い」スペックを持っています。
このため出足からスムーズに2110kgのXC90を加速させていけちゃうんですよね。そのままアクセルを踏み込んでいっても、スムーズかつパワフルに加速をさせていくのでした。
しかし今回搭載されたこのエンジンには、さらに加速力を強めるとっておきのメカが採用されています。それが「パワーパルス」です。
これはあらかじめタンクに充填しておいた圧縮エアを、EGR配管を通してエキゾーストマニホールドに噴射してやるというもの。ターボチャージャーの立ち上がり過給を促進してくれるのです。
これは「アクセルを短時間に大きく踏み込んだ際」「1速または2速ギヤ」「エンジン回転数が2000rpm以下」という条件下で作動するようになっています。
実際にこのパワーパルスを試すべく、ごくごく低速域から大きくアクセルを踏み込みます。すると「ゴゴゴゴ」といった短い脈動の音と振動(いずれもかすかなもの)を伴って、明確にトルクの立ち上がりが早くなっていることがわかりました。
かなり効果的かつ実用的じゃないですかこのシステム!
というわけでXC90、格好いい見た目で中身はミニバン脱帽の居住空間。そんでもってわずか2Lなのにギュンギュン加速させてくれるエンジンを持つ(しかも燃料自体が安い)という、いいとこだらけなSUVなのでした。
(写真・動画・文/ウナ丼)