【新型デイズ ハイウェイスター ターボ 試乗】軽自動車のクラスを超えた「自然な走り」

車速ゼロからの発進時にストレスがないことが、新型デイズ ハイウェイスター ターボの大きな特徴です。

これはエンジン単体の性能向上(最高出力が64ps/5600rpm・最大トルクは10.2kgm/2400~4000rpm)や、適切な変速機のギヤリング設定もさることながら、新“S-ハイブリッドシステム”の恩恵によるところも大きいのでした。

このマイルドハイブリッドシステムでは、従来の鉛バッテリーに代えてリチウムイオンバッテリーを採用しています。これによって発進時などのモーターアシスト時間が従来比10倍以上にアップしているのです。

また減速時の回生量も2倍に増えています。さらにアイドリングストップ時間を10%向上させるなどの進化を果たしていることも見逃せません。

CVTユニットには人間にとって気持ちいい加速感が味わえる『Dステップ変速』という制御が取り入れられています。これは強い加速を必要とした際に適用されるもの。

従来であればエンジン回転が先に高止まりして、その後に加速がついてくるというかたちになっていました。このDステップでは、加速の途中にあえてエンジン回転を落とし、有段ギヤのようなフィールを実現しています。これによりエンジン音がブーン、ブーン、ブーーーンと断続的に変化しながら回転上昇していくのでした。

確かにこのエンジン回転数の上下動は人間にとって心地いいものでして、従来のCVTにはなかったダイレクトさです。ちなみにこのDステップ変速は、燃費への悪影響を抑えるような緻密なセッティングも行っています。

デイズ ハイウェイスター ターボの走りは、総じて自然であることが特徴といえます。

発進から中間加速、そして高回転使用域に至るまで、不満を感じるシーンはほとんどないはずです。しかもこれは「軽自動車にしては」というレベルではなく、一般的なコンパクトカーから乗り換えたとしても、という前提付きの話なのです。

これをわずか0.66Lの3気筒エンジンで達成しているのですからマーベラスですね。


(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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