駐禁ステッカー貼られても出頭しないほうがお得ってホント!?→出頭しなければ違反点数ナシ!【取り締まりQ&A】

■素直に出頭すると違反切符が切られるけれど、出頭せずに違反金を支払えば違反点数の登録はナシ!

路上駐車して、戻ったらフロントガラスに黄色いステッカーがぺたり。うわ、駐禁取り締まりだ、やられた~っ! べつに誰の迷惑にもならない場所なのに、たった数分の駐車なのに、ちっきしょ~っ!

そんなことがよくあるようだ。

どうすればいいのか。2つの道がある。どっちを選ぶか自由だが、選んだ先はぜんぜん違う。あなたはどっちがいい?

(1)交番や警察署へ出頭する

昔の駐禁取り締まりは、違反者を出頭させて違反切符を切るスタイルだった。それが頭に焼き付いている人は、すぐに交番や警察署へ出頭しがちだ。

昔のスタイルとは関係なく、「こんな取り締まりは納得いかない。文句を言ってやろう!」と出頭する人もいる。

理由は何であれ、出頭すれば原則として違反切符を切られる。違反切符といっしょに「反則金」の納付書が交付され、かつ、違反点数が登録される。

点数の登録には、取り締まりが不適切だったとかそんなことは関係ない。自動的に登録される。そして、ゴールド免許の人は次の免許更新でブルー免許になる。更新時の講習は「優良運転者講習」(30分、500円)ではなく、「一般運転者講習」(1時間、800円)になる。任意保険の掛け金が何千円か上がったりする。場合によっては免許停止処分などを受けることもある。大変だ。

(2)ステッカーは破り捨て、知らん顔する。

それ自体はまったく問題ない。そもそもステッカーには、どこかへ出頭しなさいとは書かれていない。
知らん顔でいると、ステッカーを貼られたクルマやバイク(以下、車両)の持ち主へ警察から郵便が届く。封筒の中には「放置違反金」の納付書が入っている。金額は反則金と同額だ。

放置違反金を払えば、その駐車違反については、違反切符が切られることなく処理が終わる。

以上をまとめるとこうだ。

あなたがあなたの車両に黄色いステッカーを張られた場合、出頭せず、車両の持ち主としての立場で放置違反金を払えば、違反点数は登録されない。当然、あなたがゴールド免許ならゴールドの免許のままでいられる。

出頭しないほうが絶対「お得」といえる。2006年6月1日からそういう制度、つまり「違反者優遇」の制度になったのだ。

しかし、制度のことを知らない人はまだまだいるようだ。

警察庁のデータによれば、たとえば2017年のステッカーの取り付け件数は128万5596件。そのうち違反者が出頭して違反切符を切られたのは23万3336件、18.2%だ。

都道府県別で見ると、取り付けが最も多いのは東京で39万4445件。うち違反切符は4万7693件、12.1%。次が大阪で15万9108件、うち違反切符は2万2240件、14.0%となっている。

12.1%と14.0%。大した違いではないが、大阪のほうが「なんでやねん!」とか怒って警察へ出頭しやすいのかなぁ、と想像できなくもない。

なお、違反常習で同じ車両に何度もステッカーを貼られると、その車両は一定期間「使用制限命令」を受ける。違反者はゴールド免許のまま他の車両を運転できる。

(今井亮一)

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