【新型デリカD:5公道試乗】見た目よりも中身の進化に注目! 進化した駆動系により軽やかで高級感のある走り

【見た目に注目が集まっていますが、走りがかなり「オトナ!」になってます】

大規模マイナーチェンジを受け、見た目も中身も進化した三菱デリカD:5(384万2640円〜421万6320円)に、一般道で試乗しました。

今回試乗したのは標準のデリカD:5「P」グレード・8人乗り仕様です。全長×全幅×全高は4800×1795×1875mmで、駆動方式はフルタイム4WDです。

新型では、三菱が広く採用している大型のグリルをコアにした「ダイナミックシールド」のフェイスを採用。縦型のマルチLEDヘッドライトや高い位置のLEDシグネチャーランプの装着と相まって大きくイメージを変えてきました。

LEDランプ類の特徴はその形だけではありません。ライトユニットのインナー部分にメッキを配すると同時に奥行きを持たせてあるのです。
これにより、非点灯時であってもキラキラと光る、独特のルックを形作ることに成功しています。

リアコンビネーションランプも大型化しています。新規で製作されたガーニッシュと合わせ、ワイド感を強調するようなデザインになっています。また点灯時には弓形に光る導光LEDテールランプも目を引くポイントといえます。

インパネ周りも一新され、オフロードに強い三菱の持ち味を発揮したものとなっています。

具体的には、インパネ全体を水平基調でデザインして直前の視界を確保しています。と同時に、車両の傾きにも敏感になれる環境づくりをしています。

ピアノブラックが眩しいセンターコンソールには、質感の高い走行モードセレクターやシフトレバーが備わります。シートはキルト風のパターンが施された新規のものに変更されています。

デリカD:5は室内をスクエアに確保していることで、実際の寸法はもちろん、広々「感」が1列目から3列目までたっぷり確保できているのが特徴です。

早速試乗してみます。

エクステリアが変わった新型デリカD:5では、全車に2.2Lのコモンレール式クリーンディーゼルターボエンジンが採用されています(従来のフェイスを持つモデルも併売されており、こちらにはガソリンエンジンが用意されます)。

今回、エンジンの型式はそのままながら構成する主要部品の約半分を新規に設計し直しました。従来のモデルに対し最大トルクを5パーセントアップ。最高出力は145ps/3500rpmで、最大トルクは38.7kgm/2000rpmを発揮しています。

その効果は誰が乗っても分かるほどです。従来エンジンよりも明確にパワフルになりました。また数値でわかる部分以外でも、ムービングパーツの軽量化や高剛性化に努めた結果、軽やかに、そして静かに回るようになったエンジンフィールも特筆ものです。走りの軽快感が高まりました。

この走りの軽やかさには、新開発の8速トルクコンバーター式ATの効果も大きいと思います。これは従来設定されていた6ATに対して、1速ギヤはよりローギヤードに、そして最上段はよりハイギヤードに設定することが可能になったことがポイントです。

出足は軽やかにスムーズになり、速度が高い領域でのクルーズにおいてはよりハイギヤードなものを使えることになりました。燃費と静粛性の向上に貢献しています。

新型デリカD:5は、その外観やインテリアの変更での驚きよりも、変化した走りでの驚きが大きいほど。

従来モデルよりも一回り車体が小さくなったかのような軽快感があり、同時にエンジンの回転が滑らかになったことによる高級感も高まったのです。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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