井出有治さん待望メガーヌR.S. カップの6MTは、あえてラフに扱っても感触はマイルドだった!その3【動画】

■タイヤも専用、BSと共同開発された「ポテンザS001」

井出さんの愛車だった旧モデルR.S.のタイヤはミシュラン・パイロットスーパースポーツ(235/40ZR18)。今回のR.S. カップはブリヂストン・ポテンザS001(245/35R19 93Y)。レーシングドライバー・井出有治選手は特に、このタイヤ選択も気になるようです。

「旧R.S.とR.S. カップのフィーリングの違いは、タイヤの違いでもあります。MIとBSの『キャラクターの差』ですね。旧R.S.のMIタイヤはサーキットで連続走行をしてもラップタイムが落ちずフィーリングも変わらない、R.S.と相性の良い優れた性能を持っていたのも印象的だったんです。今日はハーフウェットで、しかもメインストレート3本という短いテストの中だけでしたが、MIとBSではずいぶんフィーリングが違うんだなって思いました。旧R.S.と相性の良かったMIから、あえてBSに変更したのにはなにか理由があるのかな?って、ちょっと気になったんですよね〜」(井出さん)。

ニューカー開発の中で、メーカーはどうやってタイヤ選択をしているんでしょう?

「最初はメーカーもブランドも一切、白紙の状態だそうです。まずはすべてのタイヤメーカーに要望を出す。ウェットやドライ性能、タイヤノイズetc.。そしてプレゼンされたものの中からパフォーマンスレベルに合いそうなものを決め、そこからタイヤメーカーと共同で開発していく…そういう流れなんだそうです。今回、できることなら完全ドライで周回数もある程度重ねた中でテストしたかった〜。そうすれば、なぜ今回のR.S. カップがBSポテンザS001を選択したのかが分かったかも。ちょっと残念!」(井出さん)

■「メガーヌR.S.」に+10万円で「メガーヌR.S. カップ」が手に入る!

「乗って納得の性能でこの楽しさ! 440万円のR.S.にプラス10万円の450万円って安いですよねぇ! スタッフの方によると『この金額でこんなに凄くて楽しいスポーツカーが手に入れられるということを大事にしたい』とのこと。今どきのクルマは電子制御だナンダといろんなものをいっぱい入れて、旧モデル価格+20万、30万、50万!と高くなるのが多い中、R.S. カップは気軽にステップアップがしやすいようにしたいとのこと。GTからR.S.、そしてR.S.カップへ!」(井出さん)

■ワインディング&サーキットを楽しむなら「R.S.カップ」、でも疑似サウンドを満喫するなら「R.S.」!?

井出さん、ヘルメットの中でメチャクチャ笑顔!

「やっぱりサーキットを走るならカップのほうが楽しいですね! 動きがすごくシャープです。シャシー・スポールと比べるとシャシー・カップはスプリングレートも高められているしデフがしっかり効いている分、全体的な剛性感が全然違います」(井出さん)。

しかし、気分高揚システム!? スピーカーから響き渡る「疑似エンジン音」だけは「R.S.のほうがメチャクチャ楽しい!」そうです。

「R.S.カップも疑似エンジン音が出ているけど、6MTと6ATの差なのか、まぁ今日はヘルメット被っているので聞こえにくいのかも? R.S.はスピーカーからの音なのか分からないくらい凄く上手くできているんですよね。本物のエンジン音よりスピーカーからのほうがいい音してるくらい! ウ〜ボロボロ〜!ボロボロ〜!みたいな!! 回転に合わせて音質も変わるから違和感がないんですよ。しかもミスファイヤリングみたいな音まで再現しているし。ターンパイクで走った時なんか笑っちゃったくらい!」(井出さん)

レーシングカー含め様々なクルマに乗ってきた井出有治さんを、これほどまでに夢中にさせる「メガーヌR.S. カップ」。私も1週間くらいお借りしてジックリ乗りたくなってきました!

(試乗:井出 有治/文:永光 やすの/写真:平野 陽・永光 やすの)

【主要諸元】
モデル メガーヌ ルノー・スポール カップ(MT)
全長/全幅/全高(mm) 4410/1875/1435
ホイールベース(mm) 2670
トレッド 前/後(mm) 1620/1600
車両重量(kg) 1460
ステアリング形式 ラック・ピニオン(電動アシスト)
ハンドル 右
定員(名) 5
最小回転半径(m/参考値) 5.2
燃料消費量 JC08モード(km/L/参考値) 12.6
エンジン型式 M5P
エンジンタイプ ターボチャージャー付き筒内直接噴射 直列4気筒 DOHC16バルブ
排気量(cc) 1798
内径×行程(mm) 79.7×90.1
圧縮比 8.9
燃料供給装置 (電子制御式)マルチポイントインジェクション
最高出力(kW[ps]/rpm[EEC]) 205[279参考値]/6000
最大トルク(N・m[kgm]/ rpm[EEC]) 390[39.8参考値]/2400
使用燃料/燃料タンク容量(L) 無鉛プレミアムガソリン/47
駆動方式 前輪駆動(FF)
トランスミッション 6速MT
変速比(1/2/3/4/5/6速/後退) 3.076/1.947/1.387/1.026/0.815/0.673/3.230
最終減速比 4.187
懸架方式(前/後) マクファーソン・コイル/トーションビーム・コイル
ブレーキ(前/後) ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ(前後とも) 245/35R19 93Y
ホイール(前後とも) 8.5J×19

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この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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