ターボもいいけどハイブリッドもね。ホンダ・ヴェゼルは運転が気持ちいい「ドライビング仕様SUV」

●ブレーキ制御も進化した、最新ヴェゼル・ハイブリッドをチェック

1.5L直噴ターボモデルが追加されて話題になっているホンダ・ヴェゼル シリーズ。フィット系のシャシーをベースにした、コンパクトながら室内が広いことが特徴のSUVモデルです。全長は4330mm、全幅は1770mm。全高は1605mmとなります。

今回はそんなヴェゼルの中でも売れ筋のハイブリッドモデルをチェックしてみました。試乗したのは、ハイブリッドの上級モデル『ハイブリッド Z ホンダセンシング』(FF・271万円/4WD・292万6000円)です。

同車は2013年にデビューしましたが、2018年に大規模なマイナーチェンジを受けています。この際フロントバンパー形状を変更するとともに、グリルをボディ幅いっぱいに広がるブーメラン形状とし、ホンダ共通のアイデンティティを体現するようになりました。また、ポジション&ヘッドランプ、ウインカーをLED化して表情を大きく変えています。

さらにリア部分においても、センターにメッキガーニッシュを追加するなどしています。

取材したハイブリッド Zでは、他グレードではブラックとなるフェンダーアーチやアンダー部分がボディ同色となっていることが特徴です。

センタータンクレイアウトを使用したことで広大な荷室が確保されていることもヴェゼルの特徴です。ラゲッジ下にはアンダーボックスも備わっています。

前後シート周りの空間にも非常に余裕があります。

マイナーチェンジの際にフロントシートの形状を刷新し、ステッチをステッチの変更もしています。今回取材した車両にはハイブリッドZとツーリングのみが選択可能な、ブラック本革シートが採用されていました。

ちなみに現在販売されているヴェゼルには、先進運転支援システムのホンダセンシングが全車に標準装備されています。

早速試乗してみます。1.5Lエンジンの最高出力は132ps/6600rpm、最大トルクは15.9kgm/4600rpm。モーターの最高出力は29.5ps/1313-2000rpm、最大トルクは16.3kgm/0-1313rpmとなっています。

このパワーユニットは、燃費だけを目標にしたいわば機械優先の考え方ではなく、人間が運転して気持ちいい出力特性になっているのが特徴です。また、組み合わされる7速デュアルクラッチトランスミッションは、一部CVTにありがちな空走感がなく、ダイレクトな走行フィールが楽しいです。

もともとヴェゼルのハイブリッド車は、エコカーというよりもスポーティモデルと言った方がいいくらい運転の楽しさがあふれているモデルでした。

そこに、2018年のマイナーチェンジ時にこの『スポーツハイブリッドi-DCD』へさらなるきめ細かなチューニングが施されました。これによって加速フィールがさらに良くなってもいます。

ハイブリッドモデルのブレーキペダルには、マイナーチェンジ時にリンク機構を新たに採用。ブレーキ踏み込みの際のペダルの踏み心地が向上しています。ハイブリッドモデルにありがちなブレーキの踏みごたえ違和感を取り去るような工夫がなされているのです。

今回乗ったのはハイブリッド仕様でしたが、ヴェゼルは自然吸気のガソリン仕様であっても、ガソリンターボ仕様であっても、運転の気持ちよさを大事にした作りが印象的です。

アクセルを踏んでステアリングを切る、ブレーキを踏むといった一連の操作に対してしっかりと対応してくれるドライビング仕様SUVなのです。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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