Auro Robotics社で自動運転技術を開発しているエンジニアが、CES2019でAEye社が展示していた自動運転技術「LiDAR(ライダー)」システム搭載車両をデジタルカメラで撮影したところ、その全ての撮影画像に水平・垂直方向のラインや発光点が映り込んでいたそうです。
LiDARは「Light Detection and Ranging」の略で、レーザー光を照射し、その光が跳ね返ってくるまでの時間を計測することで、物体の検知や距離を測定します。
レーザー光はミリ波よりも観測精度が高く、人の網膜に影響を与えない非可視光のため、近年では自動運転への応用が進んでいます。
AEyeのLiDARシステムでは1kmに及ぶ超長距離観測を可能にすべく、1,550nmという波長の長いパルスで大量の信号を送るファイバーレーザーを使用しており、この波長では人間の目に影響がないとされているものの、カメラのセンサーが人の目よりもレーザーに対して1,000倍敏感なこともあり、センサーが損傷する可能性があるそうです。
AEye社では、消費電力低減とカメラセンサーへの影響排除に向け、レーザーに代わるFM-CW(周波数変調連続波)採用による対策に全力をあげているそうですが、意外な側面からも自動運転車両が現実になるには様々な障害をクリアしなければならないことがまた明らかになったようです。
(Avanti Yasunori/LiDARイメージ画像:トヨタ自動車
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