【デトロイトモーターショー2019】トヨタ新型スープラがワールドプレミア。FR&2シーター、直列6気筒と直列4気筒エンジンを設定

重心高にも徹底的にこだわり、水平対向エンジンを搭載した86よりもさらに低い重心高を実現。コーナリング性能にとって重要な要素の1つである前後重量バランスについても、理想とされる「50:50」の配分を達成したとしています。

デザインコンセプトは「Condensed Extreme L6 FR “TOYOTA” Sports」で、Condensedは「凝縮された」、Extremeは「過激な」という意味。外観は、ショートホイールベースと大径タイヤによりタイヤの存在を強調するサイドビューパッケージに加えて、2シーターらしいタイトなキャビンと、ワイドトレッドからなるスーパーワイドスタンスが特徴。さらに、直6エンジンを積んだ FRらしいロングノーズ&ショートキャビンも目を惹きます。

さらなる見どころは、空気抵抗低減に寄与するダブルバブルルーフの採用(トヨタ2000GT)や、ランプを車両内側に寄せることでフェンダーのボリュームを豊かに見せ、凝縮したボディデザインとする手法(2000GT、4代目スープラ)など、トヨタのスポーツカーの伝統を継承したとしています。

キャビンは、上下に薄いインパネと高く幅の広いコンソールによる典型的なFRスポーツカー空間に仕上げられています。コクピットには、シフトバイワイヤ式のシフトレバー、8.8インチTFTメーター、大型フルカラーヘッドアップディスプレイなどによる運転席中心でタイトな新世代レイアウトとしています。

エンジンは、3.0Lの直列6気筒と、2.0Lの直列4気筒を用意。前者は、直列6気筒エンジンの伝統を継承し、直6 3.0Lツインスクロールターボエンジンを搭載。最大トルク500Nmを、エンジン回転数1,600rpmという低回転で発生することで、アクセルペダルの操作に応じた思いどおりの加速を引き出せるとしています。

直列4気筒エンジンは、チューニングの異なる2つの2.0Lツインスクロールターボエンジンが設定され、最高出力190kW(258PS)というハイパフォーマンス仕様と、145kW(197PS)を発揮するエントリー向けのエンジンを設定。

サスペンションは、バネ下重量の低減、高い組み付け剛性、精緻な動きを追求して新設計されたサスペンションが搭載されていて、フロントはダブルジョイントスプリングストラット式、リヤはマルチリンク式。

さらに、一部グレードにアダプティブバリアブルサスペンションシステムが装着され、選択中のドライブモードや路面状況に応じて4輪のショックアブソーバー減衰力を最適に制御することで、走りと乗り心地を高次元で両立しているそうです。

新型スープラの走りを支える装備はほかにも数多く、アクティブディファレンシャルは、VSC(車両安定性制御システム)と連携しながら、電子制御多板クラッチによって後輪左右間のロック率を0〜100の範囲で無段階に最適制御。具体的には、コーナー進入時は旋回性能と安定性を高くバランスさせたロック率を選択し、アクセルを踏み込んでコーナーを脱出する際は、ロック率を高め最大限のトラクション性能を発揮します。

ボディサイズは(社内測定値)全長4380×全幅1865×全高1290〜1295mm、車両重量は1410〜1520kg。タイヤサイズは、直列6気筒エンジンを積む「RZ」が前255/35R19、後275/35R19。直列4気筒を積む「SZ-R」が前255/40R18、後275/40R18。直4を積む「SZ」は、前225/50R17、後255/45R17となっています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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