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■2018-2019日本・カー・オブ・ザ・イヤーはこの車!
・迷いに迷って私が投票したのは……!
2018年12月7日、今年の「日本・カー・オブ・ザ・イヤー」の開票&発表が行われました。
選考委員はモータージャーナリストをはじめ、自動車に関わる著名人など総勢60名。私もその中に入れていただいていますが、今年も大いに悩みました!
今年のカー・オブ・ザ・イヤーへのノミネートは27台。その中から10台に絞り、さらにその中からイヤー・カーをはじめ、イノベーション賞、エモーショナル賞、スモールモビリティ賞など各部門賞が選ばれます。
今年の大本命とみられていたスズキ・ジムニーが完成検査に関する不正問題で辞退し、その後、10ベストに選ばれたスバル・フォレスターも辞退するという前代未聞の事態に。これには、「選ぶのはこちらなのに、辞退するとはいかがなものか」という声も出ていますが、辞退する側としても苦渋の決断だったに違いないし、開発陣や販売の現場のことを考えると胸が痛みます。クルマには罪が無いのに…。
試乗会などでは開発陣の熱い思いや苦労話などを聞くことが多いため、全車に賞をあげたくなりますが、心を鬼にして冷静にクルマを選びます。ちなみに選考委員1人の持ち点は25点。その中からイヤー賞に相応しいと思ったクルマ1台に10点を。残りの15点を4台に配点します。
私の選考基準は、私がカー・オブ・ザ・イヤーの選考委員を務めさせて以来、一貫して「I(私)のクルマ選びではなくWe(私たち)が幸せになるクルマ」。
そのため、私の愛車としては選ばないかもしれませんが、そのクルマがあることで誰かが幸せになる…そんな車を選びます。
・実はジムニーに決めていました
実は私、今年は密かに「ジムニー」にしようと思っていました。20年ぶりのフルモデルチェンジ、ラダーフレームの本格派クロカン、懐かしくて新しいスクエアのエクステリアデザイン、さらに日本のどんな道でもぐいぐい行けてしまうサイズと走破性などなど、まさに日本を代表するクルマに相応しい…。しかしスズキの辞退によって私の配点は振り出しに。
そして私が10点満点を入れたのは「ボルボ XC40 」。このクルマは個人的には大好きなクルマで自分の愛車として購入しようとも思っていますが、同じSUVでもジムニーとは違うタイプ。
しかし、「SUV」「魅力的なエクステリアデザインとインテリア」「高い安全性」などなど、今ドキ感たっぷり。輸入車、国産車は関係なく、2018年を振り返った時に今年らしさが最も感じられるのが「XC40 」だと思ったので選びました。
「日本カー・オブ・ザ・イヤー」のホームページにも各選考委員の配点と選考理由が書かれているのでぜひ、ご一読ください。だれがどんなクルマを選んだか、どんな基準で選んでいるかなどがわかります。
ちなみにボルボは2年連続イヤー・カー受賞。これに「日本車が選ばれないのはいかがなものか?」という声も聞こえてきます。満点の10点満点の数では「トヨタ カローラ」のほうが多かったのに、まんべんなく点を稼いだ「XC40」が最終的に選ばれるというところは去年と同じ。つまり「嫌われない」ということが実は重要なのです。
もちろん私も「日本カー・オブ・ザ・イヤー」なので日本車に投票したい気持ちは山々ですが、クルマとしてどちらが魅力的なのか…? 見たら、乗ったら、インテリアを見たら、ドアを開けた瞬間からその理由がお分かりいただけるはずです。特に女性ウケは抜群です。ぜひ、「なぜXC40」の受賞理由が分からないという方は、実車に触れてみてください。
会の終了後の懇親会では、開発や広報の方々と歓談しますが、トヨタ・クラウンの開発陣の皆さんと何が足りないか、どうしたらよいかなど前向きなディスカッションを行い、私の意見を伝えたので、今後に期待したいと思います。
「ボルボ・ジャパン」の皆さんをはじめ、各賞受賞のみなさん、おめでとうございます。
そして来年は、来年こそは魅力的な日本車が登場し、日本車がイヤーカーに選ばれますように。
・2018-2019日本カー・オブ・ザ・イヤー ボルボ XC40
・イノベーション部門賞 ホンダ クラリティPHEV
・エモーショナル部門賞 BMW X2
・スモールモビリティ部門賞 ダイハツ ミラ トコット
・日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会特別賞 TOYOTA GAZOO Racing
・日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会特別賞 ホンダN-VAN
(吉田 由美)
【関連リンク】
日本カー・オブ・ザ・イヤー
http://www.jcoty.org/result/points/