80kgの重量差は大差とはいえないものの、発進時の軽さ感や、街中でのストップ&ゴーもより軽快にスムーズにこなしてくれる印象で、高速道路でもこうした美点は十分に感じられます。
一方で、これは人によって好みが分かれそうですが、電子制御スロットルのセッティングが筆者にとっては過敏に感じられました。アクセル操作に対して予想よりもグッと加速しようとする飛び出し感は「e-BOXER」搭載車以外でも感じられます。
ただし、先述したように、人によってはこうしたフィーリングがスポーティな走りと映る人もいるでしょうし、もっとグッと走り出して欲しいという声もあるでしょう。
ハイブリッドとしては、「マイルドハイブリッド仕様」といえるモーターの使用頻度はフォレスターと同じ。ただし、EV走行、モーター走行、ハイブリッド走行を頻繁に切り替えているのがエネルギーフローのイラストからも分かります。逆にいえば、制御は巧みなので、バッテリー容量とモーターの出力を上げることで、ストロングハイブリッドへの強化も期待したくなります。
少し脱線しますが、「XV Advance」のバッテリー容量は4.8Ahで、先日発表された北米向けの2モーター式の「CROSSTREK HYBRID」は、25.0Ah。モーター出力も「XV Advance」よりも大きく向上しています。ただし、「CROSSTREK HYBRID」は「THS2」を活用したトヨタとのアライアンスによるものと想像できますから、自社開発の「XV Advance」とは異なります。
さて「XV Advance」に話を戻すと、フォレスター同様に乗り心地の良さが光ります。それでいながら路面追従性も良好で、うねりを伴ったコーナーなどでも重心の高さを感じさせず、安定した走りを披露してくれます。高速道路を使った長距離でも疲れを誘いません。
さらに、「アイサイト」のアダプティブクルーズコントロールやレーンキープの制御が高く、「ECOクルーズコントロール」による低燃費も魅力でしょう。ほかにも、SUBARUならではの高い悪路走破性を備えた4WDモデルとしての美点もあり、4WD+マイルドハイブリッド仕様を指名するのであれば、「フォレスターAdvance」も含めて見逃せない選択肢になりそうです。
(文/写真 塚田勝弘)