「山寺」こと立石寺の駐車場事情と奥之院登拝(山形)【車中泊女子の全国縦断記】

立石寺の本堂である根本中堂(重要文化財)には、撫でて参拝できる招福布袋尊が鎮座しておられます。布袋様のからだは撫でられてツルツルです。中性院の「おびんずるさま」も同じく。ぼけ封じのご利益があるそうです。

御朱印(御朱印帳)に際する注意書きが、たくさん貼ってありました。神社とお寺は別にする、観光スタンプなどは押さない、頭よりも下の位置に保管しない…などなど。

それから基本的に御朱印のお志(料金)は300円で、お釣りのないように小銭を用意しておくのがマナーだそうです。他にも小銭を使う機会がたくさんあるので、あらかじめ小銭を用意しておいた方がよさそう。

奥之院へは、山門(登山口)で入山料300円を支払ってから長い石段を登ります。1015段の石段、ひとつひとつ登ることによって欲望や穢れを消滅させ、明るく正しい人間になるといわれていますので、一歩一歩踏みしめて。

山の樹々の間から覗く岩肌は新第三紀中新世の凝灰岩。ところ狭しと卒塔婆(そとば)を模した岩塔婆が掘られ、石像もあちこちに安置されています。まさに霊場といった雰囲気です。…が、なんと山頂付近には売店もあります。

慈覚大師円仁を祀る開山堂(右)と、この山内で最も古い建物である納経堂(左)。お堂の向こう側は断崖絶壁。

断崖絶壁の岩山に、まるで天空に突き出るように建っている五大堂からの眺めも素晴らしい。山寺一帯と門前町まで見下ろせます。

芭蕉が『奥の細道』で伝えている「せみ塚」、弥陀洞(みだほら)、仁王門、奥之院本殿、『日本三大灯籠』に数えられている金灯篭、黄金の阿弥陀如来座像(約5m!)が安置されている大仏殿、三重小塔(重要文化財)などなど、ここでは紹介しきれないほど見どころが多数あります。往復1時間程度ですが、ゆっくりくまなく見て廻るなら1時間半くらいの余裕をみてください。

帰りに、JR山寺駅前の【焰蔵】へ。外観も、店内の雰囲気も落ち着いています。無農薬栽培の最上早生を使用した『十割板そば』は、ちょっと田舎蕎麦っぽくてコシがあり土の香りがしました。

立谷川を挟んだ対岸の高台に、お土産屋、ギャラリー、お食事&甘味処や【芭蕉記念館】【後藤美術館】などが集まっているエリアがあり、そこから真正面に山寺が見渡せます。駐車場は無料ですし、景色を堪能する穴場スポットと言えそうです。

(松本しう周己)

【関連リンク】

宝珠山 立石寺
https://www.rissyakuji.jp/

この記事の著者

松本しう周己 近影

松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
続きを見る
閉じる