【ホンダ・クラリティPHEV試乗】汎用性の高さでクラリティの魅力がアップ。ハンドリングと静粛性も向上

トルクフィールは力強く、EVらしいグッと前に押し出すような発進と間断ないシームレスな加速が魅力です。燃費を重視したECONモードでは、アクセルペダルを踏み込んでいった際に途中にクリック感が発生するようになっていて、そのクリックから踏み込まないようにすればエンジンが始動せずにEVのまま走れる(もちろんバッテリーの残量によりますが)ようにもなっています。

フューエルセルモデルでもシャープさがあったハンドリングはさらに磨きがかかっています。フューエルセルの車両重量が1890kgであったのに対し、PHEVは1850kgと若干軽くなっています。

搭載するバッテリーは、フューエルセルの5Ahに対してPHEVは27.3Ahに拡大されています。さらに、PHEVの場合は重いバッテリーの多くを床下に積んだことによりより重心が下がり、全体としてのまとまり感がアップ。ハンドリングが向上しています。

EVやエンジンが始動してないときのハイブリッドはエンジンノイズがないため、ほかのノイズが目立ちやすい傾向があります。クラリティフューエルセルもタイヤのゴーというノイズがが大きく目立っていました。

PHEVではホイールにノイズリダクション効果のあるレゾネーターを備えたり、ガラスの遮音性をアップしたり、フロアカーペットの遮音性を向上したりすることで、ノイズを低下し快適性を向上しています。

(文・写真:諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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