今回のマイナーチェンジでは構造用接着剤塗布部の拡大が行われボディ剛性が向上しています。また、ステアリングギヤレシオもアップされました。ステアリングギヤレシオをアップすると、ステアリングを切った瞬間にボディが受け止めなくてはならない力が大きくなりますが、今回はボディと合わせて改良をしているので、悪影響はなくシャープなハンドリングを実現しました。
ステアリングを切ってからクルマが動き出すまでの俊敏さは高められました。だからといって、サーキットでチェックする限り定常走行時に動きが過敏になるようなことはありませんでした。
19モデルで試乗したグレードはGプラスパッケージとSエディションの2グレードでした。
走りに関して大きく異なるのは装着されるダンパーです。Gプラスパッケージは新開発で容量をアップしたKYB製、Sエディションは従来からのビルシュタインです。フィーリングがよかったのはKYBを採用するGプラスパッケージでした。
コーナー進入時から脱出までゆったりとしつつもがっしりと路面をつかむフィーリングはかなり上級。Sエディションはちょっと突っ張った印象があるのですが、そうした部分もちゃんと排除されていて、ピシッとコーナリングが決まります。流して走ったときの安定感もよく、17モデルでのノーマル対ビルシュタインとは逆の状態になりそうです。
乗り心地なども含めた一般道でのチェックは今後になりますが、期待は大きいです。とくにノーマルサスペンションを使うGプラスパッケージに対してはその期待が大きくなります。
(文:諸星陽一・写真:雪岡直樹)